
もくじ
1. ごあいさつ
2.いち女性獣医師の獣医師のキャリアに対する感想3(新人の時の悩みどころ)
3.最後に
ごあいさつ
こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
本日は、箸休め的番外編第37弾をおおくりしたいと思います。
新人のときを振り返ると色々悩んでいた覚えがあるのですが、この悩みって結構みんなに共通しているなと思っています。
今日はそんな話をしてみたいと思います。
いち女性獣医師の獣医師のキャリアに対する感想3(新人の時の悩みどころ)
新人の時って色々悩みますよね…
今思うと可愛い悩みに思えることもありますが、当時の自分は結構真剣に考えていたなと思い返しています。
なんやかんや、みんな同じような悩みを持つんじゃないかなと思って、その時の悩みと、今思うことを書き出してみました。
①飼い主さんと何を話したらいいかわからない…
これは、私だけではなくて、新任の獣医さんや看護師さんをみていても思います。
最初の頃って、診察に関連したことは喋れても、他の会話ってなかなかできなかったものです。
そんな余裕がなかったというのもあるかもしれませんが、何を話していいか思い浮かばなかったということも大きいかなと思います。
結局、慣れとともに雑談もできるようになっていったのですが、自分が環境に慣れて相手の状況がなんとなくわかるようになったことが大きいのかなと思います。
相手の状況とか背景がわかっていると診療以外のことも話しやすくなりますよね。
あとは、年齢もあるかなと思ったりします。
自分が結婚したり、子供を持ったりするうちに年齢も上がっていって、より飼い主さんと共通することも増えてきて、年代も近くなってくるとぐっと話しやすくなった気がします。
自分のタイプとして、そんなに社交的なタイプではないのですが、昔と比べて今では全く知らない人でも何か話題を見つけて雑談できるので、慣れや年齢もあるとは思うのですが、雑談力が鍛えられるということもあるかもしれませんね。
私だけではなく、他の獣医さんや看護師さんをみていても時間とともに雑談力は上がっていっているので自然に身につくんだと思います。
②動物の生態がわからない
獣医さんは本来的なことでいえば病気の専門家なのですが、動物病院で診察しているとその動物の習性や生活もわかっていないとダメなことが多々あります。
私は犬も猫も飼ったことがあったので犬猫に関してはあまり悩まなかったですが、エキゾチック動物に関しては飼ったことがなかったのでちょっと悩んだことがあります。
これに関しても、飼ったことがなくても病院でお世話をしたり、いろいろな人の話を聞くうちになんとなくわかってきたりはするのですが、やっぱり自分でお世話をしたり、生活したりしている経験があった方が絶対にいいと思います。
飼い主さんのお話を聞いていても、自分が経験があるかどうかで状況への理解度だったり、アドバイスの的確さがかわってくるからです。
動物医療は、動物さんを診ているようで飼い主さんとの生活も含めてみていることも多いので、自分の経験もとても大切かなと思います。
結局、自分がねこちゃんと暮らしていたこともあってエキゾチック動物をお迎えできる状況になかったことと、エキゾチックといっても幅広いので全ての動物をカバーしきれないなと思って、犬・猫に絞って診療することにしたという経緯もあったりします。
もしこれから飼ったことのない動物さんを診たいと思う人がいるなら、病院でそういった動物さんを育てているところを選ぶのも一つかなと思います。
③動物さんの怒りポイントの見極め
これも悩みがちなことかなと思います。
はじめたての人からはねこちゃんが怖いと言われることも多いです。
実際、自分が怪我をするので怒りポイントは見極められないとヒヤヒヤだと思います。
これも慣れではあるのですが、動物さんと生活したことがあるかにも関連してくるかもしれません。
実際に、私は猫と一緒に暮らしていたせいか、ねこちゃんの怒りポイントや怒って飛びかかってくるタイミングの方がわかりやすかった覚えがあります。(わかるというだけでうまくできていたわけではないですが…汗)
ねこちゃんの方が、歯と爪があって、体もくねくねして攻撃を防ぎづらいというのもありますが、怒って手が出るタイミングもめいいっぱい威嚇してきてくれるのでわかりやすいなと思います。
わんちゃんは、怖がっているだけの子と、怖がってるだけかなと思っていたら急に口が出てくる子とを体のサインで区別するのがねこちゃんより難しいなと思います。
何にせよ、慣れると怒りのサインを敏感に察知できるようになったり、気をつけるポイントが自然に身体に染み付くので大丈夫です!
④採血etc
採血や留置の設置(点滴のポートを血管に入れて固定する処置)も悩む人も多いですよね。
はじめからうまくいく人はなかなかいません。
ただこれも、結局は感覚を養うというところなのかなと思ったりします。
実際に、初めたての頃はそこにプリプリした血管があるのにうまく刺せなかったりもよくありました。
逆に、感覚が身についてしまうと何となくここというくらいしか血管が見えなくても刺せるようになります。
今でも体調が悪い日なのか感覚がずれてしまう日もあって、そういう日は全然処置が決まらなかったり、逆に難しそうな血管でもスイスイ決まる日もあったりするので、技術もあるとは思うのですが感覚の方が重要かな思っています。
ちなみに、見ているとやっぱり若い人は感覚を掴むのが上手だなと思います。
あとは、センスのある人もすぐに上手になります。(羨ましい…)
でも、苦手でも、ある日急に処置が決まるようになる時がくるので大丈夫です!
最後に
あとは、横目で人の動きを見て、人が何をしていてどんな状況かを把握する能力も病院にいると養われます。
人が何をしているというだけではなくて、患者さんが何人待っていて…今お会計している、問診票に記入しているなどなど、何となくをざっと把握すると診察がスムーズに回るので自然と身についてくるのかなと思います。
他のお仕事だとどうなんでしょうか?
似たようなことってあるのでしょうか?(興味深々です)
それではまた次回のコラムでお会いしましょう。

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ