獣医さんのコラム(229)獣医さんが解説する医療費が高い病気ランキング

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する医療費が高い病気ランキング

  第3位 股関節全置換術

  第2位 脳腫瘍治療

  ・第1位 僧帽弁形成術

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

昨日に引き続き、今日もちょっと現実的な話をしたいと思います。

ズバリ、どんな病気がどのくらいの費用がかかるのかという話なのですが、その中でも金額が高いものを3つランキング形式でお話ししてみたいと思っています。

獣医さんが解説する医療費が高い病気ランキング

第3位 股関節全置換術

第3位は白内障の手術と迷ってのですが、手術単体の単価だとやっぱり股関節の方が高いのでこちらを第3位としました。

股関節全置換術は、股関節形成不全症の治療のために行われるもので病的な大腿骨頭を人工関節に置き換える外科手術です。

ちなみに股関節形成不全症は大型犬に多い病気で、70〜90%は両側性に発症すると言われています。

費用はある記述によると片側の手術で35~70万円と書かれていますが、獣医さんの所感だと35万円で全置換術ができることはあまりないのではないかなというところなので、50~70万円というところではないかと思います。(実際に実施している施設が公式に記述しているものはないのでおおよその費用感と考えてください。)

費用の高い理由は、実施できる施設が限られているということとインプラントなどの費用も高額になるというところです。

両側の発生が多いので、もし両方の手術をすると単純計算で70~140万円というところなのですが、この手術を両側同時にすることは基本的にはないので、症状がひどい方の足から手術し、その後の臨床症状をみて対側も手術をする形になります。

ちなみに、左右程度が違うこともあるので、片側の手術をしてその後対側の手術になる症例は症例はおよそ1/4程度とも言われています。

第2位 脳腫瘍治療

獣医業界でもここ20年でMRIが全国的に普及し、その結果、脳腫瘍の診断数も上昇し手術適応になる症例も増えています。

ただ、やはり脳腫瘍の手術ができる施設の数は限られていることや、手術自体が大掛かりになることもあり高額になる手術の代表格の一つです。

脳腫瘍の手術を実施している日本獣医生命科学大学のHPに脳外科手術に100〜150万円という記述があるので、大学病院ではそれくらいの費用感です。

獣医さんの所感として、民間の施設でもさほど差はないのではという感じを受けます。

ただし、手術に加えて補助治療として放射線治療をすると、それにさらに50~100万円かかってくることになります。

なので、症例によって治療自体の総額には150~250万円ということもあるのですが、脳腫瘍が適応となるもので一番多いのが髄膜腫という良性腫瘍で、この場合は手術のみということが多いので第2位とさせてもらいました。

第1位 僧帽弁形成術

わんちゃんの心臓病で一番多いのは僧帽弁閉鎖不全症という病気です。

僧帽弁形成術は、心臓を開き弁を再形成することで弁閉鎖時に漏れ出てしまっている血流を改善させる手術手技で、心臓を止めて人工心肺を用いて行う手術です。

劇的に心臓の血流動向が改善する手術ではありますが、病態が進行し状態が悪い中での手術になることが多いので周術期はシビアでもあります。

費用は、犬と猫の心臓外科という施設を参考にすると、入院料なども含め250万円と記述されています。

これに関しては、地域と施設によってもう価格は下がる場合があるのではないかという所感です。

ただし、この手術もできる施設が限られており、人工心肺やそれを動かすチームが必要な大掛かりな手術になるので、やはり価格は高くならざるえないというところです。

もう少し費用が抑えられる可能性はありますが、それまでに内科的な治療にかかってきた費用などを考えると、やはりこの病気に第1位を贈りたいなと思います。

最後に

いかがだったでしょうか?

ちょっとびっくりするような費用感だったと思います。

その疾患を持っていても必ず手術になるというわけではないですが、時代の流れとしては手術という選択肢を提示される機会は増えていくと思います。

ちょっとした参考になれば幸いです。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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