獣医さんのコラム(232)獣医さんが解説する狂犬病を打ち忘れたらどうなる?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する狂犬病を打ち忘れたらどうなる?

  狂犬病とは?

  狂犬病予防の仕組み

  ・打ち忘れたら?

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

長期の臨時休業をいただきご迷惑、ご不便をおかけいたしました。

本日からコラムも復帰しますのでまた読んでいただけたら嬉しいです。

さて、復帰1弾目はそろそろわんちゃんの予防シーズンがはじまる時期ということで、狂犬病の話をしたいと思います。

獣医さんが解説する狂犬病を打ち忘れたらどうなる?

狂犬病とは?

予防は毎年していても、狂犬病ってどんな病気?と言われると詳しくは知らないかも…という方もいらっしゃると思うので、初めにそもそも狂犬病とは?という話から始めたいと思います。

狂犬病は、犬や人をはじめとした哺乳類に感染し、ほぼ100%死に至るとても怖いウイルス性疾患の1つです。

狂犬病という名の通りウイルスが神経系に感染することで、凶暴化・狂乱状態に陥ちいったり、麻痺を起こしたりといった神経症状を起こし最終的には死にいたります。

人の感染源の約99%は犬の咬傷による唾液感染であることから、犬での発症予防が重要視されています。

ちなみに、日本は過去に狂犬病の流行があったものの、現在では清浄国(発生がない国)となっています。

ただし、海外ではいまだに狂犬病によって亡くなる人が毎年多くいる状況のため、外国からの再流入をいかに防ぐかに重点をおかれており、そのために日本で飼育されている犬には法律で年1回の狂犬病ワクチンの接種義務が課されています。

狂犬病予防の仕組み狂犬病予防の仕組み

では、狂犬病の具体的な予防はどういったものかというと、主となるのは抗体価です。

狂犬病が国内に入ってきたときに、一気に広がって封じ込められないといった事態を避けるために、わんちゃん全体で7割適度が抗体価を維持していることが必要とされています。

そのために、実施されているのがわんちゃんの登録(鑑札の発行)と狂犬病ワクチンの接種です。

鑑札(マイクロチップが鑑札代わりになっている場合もあります)でわんちゃんの数や飼育状況を把握し、それに基づいて年に1回のワクチン接種をしてもらい注射済票を発行するというのが予防の一連の流れです。

ただちょっとわかりづらいのが、この1年に1回というところなのですが、年度のはじまりが特殊で毎年3/2から翌年の3/1までが1年になっているので、うっかり年度を跨いでしまわないように気をつける必要があります。

また、混合ワクチンと同時に接種してしまうと抗体価の上昇に影響があると言われているため、一般的には同時には打てないので、混合ワクチンと混ざってしまって打ち忘れてしまうということも起こりやすいです。

注意が必要なのが、混合ワクチンやフィラリア予防などの他の予防は忘れてしまってもリスクの問題があるだけなのですが、狂犬病予防はわんちゃんの予防の中で唯一任意予防ではなく、法律で義務付けられた予防であることです。

知らない方も多いかもしれませんが、実は刑罰も設けられていて、20万円以下の罰金が課せられる可能性もあるということも知っておいてもらえたらと思います。

打ち忘れたら?

では、もしうっかり打ち忘れてしまったらどうなるのでしょうか?

刑罰などちょっと怖いことも書きましたが、結論を言うと、故意ではなく悪質ではないものであれば基本的には罪に問われることはありませんのでご安心いただければと思います。

ただし、今のところはということも頭においておいてもらえたらと思います。

おそらく、再び国内で狂犬病が発生するようなことが起こると、急に厳しくなる可能性は十分にありえると思います。

なので、うーん去年って打ったかな??と思った方は、ぜひ今年度はしっかり実施したかを確認してもらえたらと思います。

最後に

時々、そろそろお年をとってきたからと自主的に狂犬病ワクチンを打たなくなる方もいらっしゃるのですが、法律違反になってしまうので、必ず獣医さんと猶予を相談してくださいね。

法律自体は融通がきかないところもあるのですが、現場ではなるべく柔軟に対応しているところが多いと思うので気軽に聞いてもらえたらと思います。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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