獣医さんのコラム(234)獣医さんが解説する予防に関する噂話の真相!?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する予防に関する噂話の真相!?

  フィラリアの薬は危険?

  ワクチンは3年に1回でいい?

  ・ワクチンを打つと癌になる?

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

あっという間に予防の季節ですね。

わんちゃんの予防に関しては色々な噂があって、よく飼い主さんにどうなんですか?と聞かれます。

今回はそんな予防の噂の真相について触れてみたいと思います。

獣医さんが解説する予防に関する噂話の真相!?

フィラリアの薬は危険?

みなさんはフィラリアの薬に危険なイメージはないですか?

時々、フィラリアの薬に忌避感や危険なイメージを持っている方にお会いすることがあります。

フィラリアの薬は駆虫薬の一種なのですが、あくまで予防薬なので実はそんなに薬用量が多くなかったりするので、獣医さんとしてはなぜ危険なイメージがあるのかな?と思うことがあります。

一つの説としては、昔は動物病院を通さずにフィラリアの予防薬を飲ませる人がいたせいかなと思っています。

実は、フィラリアが寄生している状態で予防薬を飲ませるとミクロフィラリアが大量に死んでショックを起こしたり、成虫が死んで血管に詰まったりしてわんちゃんが急死することがあったりします。(なので、病院で処方するときは予防薬を処方前に検査をします)

そんな話が伝わって危険なイメージがあるのかもしれません。

もちろん、薬には合う合わないがあるので予防薬を飲ませると嘔吐してしまう子もいたり、てんかん発作がコントロールできていないと投薬できないといった制限がある場合がありますが、獣医さん的にはそこまで副作用が強い薬というイメージはないです。

あとは、フィラリアの薬の中でも妊娠中にも使用できるというデータがあるモキシデクチンが身体に優しいイメージをあってご要望をいただくことがあるのですが、データがあるだけで獣医さんとしては他の薬と大きな差異がないと考えていることが多いかもしれません。

ワクチンは3年に1回でいい?ワクチンは3年に1回でいい?

これもよく言われることなのですが、元になっているのはWASAVA(世界小動物獣医師会)という組織によるワクチンに対する国際ガイドラインです。

混合ワクチンに含まれる病気のうち、重要な3つの病気の抗体価は1回の接種で5年〜保つことができるという報告があることから、WASAVAのガイドラインでは子犬のときに集中的に打ち、その後は3年以上間隔をあけるという記載があります。

ただし、すべてのワクチンが3年に1回でいいというわけではないのでご注意いただけたらと思います。

レプトスピラなど細菌系の病気のワクチンは抗体価の持続性が弱く1年に1回接種が必要です。

特に日本では複数の病気のワクチンが混合されて発売されているという事情もあって、1年に1回接種となっていることが多いので、疑問に思ったら必ず獣医さんと相談してもらえたらと思います。

ワクチンを打つと癌になる?

病院で混合ワクチンを打つと癌になりやすくなると聞いたので打っていませんと言われることがたまにあります。

おそらくこれは、ねこちゃんの注射部位肉腫が元になった噂ではないかと思っています。

ねこちゃんで、ワクチンを注射したところに繊維肉腫などの腫瘍が発生することがあります。

これに関しては、断定的ではないものの不活化ワクチンの中に含まれるアジュバントという成分が原因になっているのではという話があるので、動物病院では生ワクチンを使うようにしていたり、万が一発生した場合でも手術のしやすいお尻や後肢の方に打つという工夫をしています。

今の所、ねこちゃんで代表的な不活化ワクチンの一つが猫白血病ワクチンなので、このワクチンは必要な子以外は接種しないようにしていたりもします。

その他にも、わんちゃんで注射した部分で脂肪織炎を起こしてシコリができる子もいます。

多くの場合は自然に消失しますが、体質の問題もあるのでそういった子は相談の上、接種を控えたりする場合もあります。

なので、この噂に関しては100%間違いではないですが、少し違ったふうに伝わっているかなと思うので、気になる方はぜひ獣医さんに質問してみてください。

最後に

いかがだったでしょうか?

ちょこちょこ同じようなことを過去にも書いていたりするのですが、今回、予防シーズンに突入するのに合わせて再度まとめてみました。

この噂が気になるということがあれば、インスタなどにコメントをいただければ、まとめてお答えしたいと思うのでお気軽にコメントいただければと思います!

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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