獣医さんのコラム(257)獣医さんが解説する肥満の功罪~肥満が寿命を縮めている?~

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する肥満の功罪~肥満が寿命を縮めている?~

  オーバーウェイトはわんちゃんにとっても悩みの種

  肥満と寿命の話

  結果からわかること結果からわかること

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

動物病院では予防の季節真っ只中。

病院に行く機会も増える時期だと思います。

予防の季節になると、お話しする機会が激増するのが『体重』の話です。

そう、ダイエットが問題になるのは何も人間ばかりではありません。

今日はそんな話をしたいと思います。


獣医さんが解説する肥満の功罪~肥満が寿命を縮めている?~

オーバーウェイトはわんちゃんにとっても悩みの種

人もわんちゃんも、スリムな方がいいのはわかってるけどなかなか痩せられないというのは共通の悩みです。

私も身につまされるトピックです。

やっぱり現代社会では、動物でもオーバーウエイトは1、2を争う悩み事です。

飼い主さんも気にされている方が多いのですが、実際問題はなかなか大きなきっかけがないと本格的に減量に取り組み出せないというのも世の常です。(人も犬も一緒ですね汗)

そこで、今日はそんなダイエットのモチベーションになればよいなと思って、ちょっと怖い研究結果についての話をしたいと思います。


肥満と寿命の話

人と違って犬の研究において、1000頭以上のわんちゃんを対象にしたものはほとんどありません。

そんな中で、1万頭以上の犬を対象の研究となるととんでもなくレアと言えると思います。

そんな中、『肥満と寿命の関係』を5万頭以上の犬の履歴から調べたのが今回紹介するものです。

この研究では、12種の犬種で中年齢の時点で適正体重の子と肥満と判断された子がその後何歳で亡くなったかを調べたものです。

ここで取り上げられた犬種は、チワワ、ポメラニアン、ヨーキー、シーズー、アメリカン・コッカー・スパニエル、ビーグル、ダックスフンド、ボクサー、ピットブル、ジャーマン・シェパード、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバーの12種類で日本でも人気な犬種が多く含まれているので、短縮した年数の平均値と死亡リスクがどれくらい増えるかをまとめたいと思います。

チワワ

早期死亡リスク:2.42倍

オスの寿命の差(平均):2.1年

メスの寿命の差(平均):2.1年

ポメラニアン

早期死亡リスク:2.25倍

オスの寿命の差(平均):1.8年

メスの寿命の差(平均):1.9年

ヨーキー

早期死亡リスク:2.86倍

オスの寿命の差(平均):2.5年

メスの寿命の差(平均):2年

シーズー

早期死亡リスク:2.19倍

オスの寿命の差(平均):0.7年

メスの寿命の差(平均):0.6年

アメリカン・コッカー・スパニエル

早期死亡リスク:2.21倍

オスの寿命の差(平均):1.5年

メスの寿命の差(平均):1.5年

ビーグル

早期死亡リスク:2.4倍

オスの寿命の差(平均):2年

メスの寿命の差(平均):2年

ダックスフンド

早期死亡リスク:2.77倍

オスの寿命の差(平均):2.3年

メスの寿命の差(平均):2.3年

ボクサー

早期死亡リスク:1.62倍

オスの寿命の差(平均):0.6年

メスの寿命の差(平均):0.5年

ピットブル

早期死亡リスク:1.57倍

オスの寿命の差(平均):0.8年

メスの寿命の差(平均):0.9年

ジャーマン・シェパード

早期死亡リスク:1.35倍

オスの寿命の差(平均):0.4年

メスの寿命の差(平均):0.6年

ゴールデン・レトリバー

早期死亡リスク:1.56倍

オスの寿命の差(平均):0.8年

メスの寿命の差(平均):0.8年

ラブラドール・レトリバー

早期死亡リスク:1.83倍

オスの寿命の差(平均):0.6年

メスの寿命の差(平均):0.6年


結果からわかること

この研究結果から言えることは、小型犬は肥満に対するリスクが特に高いということです。

小型犬は呼吸器や心臓に体重による負担がかかりやすいことが寿命の短縮にもつながっているのではないかと考えられています。

一方で大型犬は小型犬よりも寿命に対する影響は小さいものの、関節など高齢期のQOLに関わる影響が大きいと考えられています。

ちなみに、色々なダイエット法がありますが、一番単純な方法は食事を25%減らすことかなと思います。

今のごはんを1/4も減らしたらお腹を空かせてしょうがないという場合は、ダイエット食に変更してカロリーを25%減らすという方法も有効だと思います。

是非、このデータをモチベーションに減量に取り組んで見てくださいね。

最後に

病院でも、やっぱり小型犬の子が体重過多になるとガーガー、ブーブー呼吸していたり、少し負荷がかかるとすぐにチアノーゼを起こしたりする子にもよく出会います。

寿命という問題もありますが、体重を落とすと本当に劇的にQOLが上がるので、騙されたと思って一度体重を減らしてみてもらえたらと思います。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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