獣医さんのコラム(281)獣医さんが解説する犬の熱中症注意!この症状に気をつけて!

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する犬の熱中症注意!この症状に気をつけて!

  犬は熱中症になりやすい柴犬

  パンティング呼吸

  よだれの増加

  ふらつき

  表情の朦朧感

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

毎年、この時期になると熱中症に関連する話を書いているのですが、今回は熱中症のサインについての話を書いてみたいと思います。

車を運転していると、意外と夏の日中にお外を歩いているわんちゃんを見たりします。

中には危ない症状だなぁと思う子もいるので、この機会に危ないと思う症状のポイントを知っていただけたらと思います。

獣医さんが解説する犬の熱中症注意!この症状に気をつけて!

犬は熱中症になりやすい

わんちゃんは毛皮に覆われていて暑そうというのはみんなが思うことだと思うのですが、わんちゃんが熱中症になりやすいのはそれだけが理由ではありません。

その一つが、汗をかけないことです。

汗は体温管理にとても大きな役割があります。

汗をかいて、それが蒸発することで気化熱という形で温度を下げているのです。

わんちゃんが汗をかけるのは肉球だけなので、汗で体温調整はほぼできません。

では、どこで体温調整をしているかというと、呼吸です。

わんちゃんが、パンティング呼吸というハカハカ呼吸をするのはそのためです。

ただし、ここにも注意点があって、ハカハカして体温を下げるためには気道がしっかりしていないといけないのですが、人気犬種のフレンチブルドッグやパグといった短頭種は気道が狭い上に、気道を閉塞するような喉や鼻の構造をしていて、過剰にパンティングすることで呼吸が苦しくなりさらに具合が悪くなることがあります。

さらに、わんちゃんは体高が低いので道路からの輻射熱の影響を人間以上に受けたり、被毛の色が濃いと太陽光を吸収してしまい体温が上がってしまうのです。

パンティング呼吸

さわりでも書いた通り、パンティング呼吸をしているということは身体の温度が上がっているというサインの一つです。

わんちゃんにとって、パンティング呼吸はよくあることなのですが、軽いものから深い呼吸まで幅が少しあります。

わんちゃんは体温を逃すことが苦手なので、ちょっと興奮して動くと平熱より1℃も高くなってしまうというのはよくあることです。(病院で体温測定をすると平熱が38℃台で39℃台になっていることはよくあります)

容易に体温が上がってしまう一方で、さすがに40℃近くになると生命機能に問題が出てしまいます。

なので、体温が高い状態が続いたり、危険なレベルに体温が上がってくると、どんどん呼吸が深くなって身体全体でパンティングしているという状態になってきます。

パンティングが深くなってきているようであれば、すぐにお散歩を中止し涼しい場所に移動しつつ、必ず給水をするようにしてください。

よだれの増加

そして、パンティング呼吸が深くなって体温の上昇が続くと、よだれが止まらなくなってくることが多いです。

さらに、よく見ると粘膜が真っ赤になり、目も血走ってくるので、このサインも見逃さないようにしてください。

この症状が出ているようであれば、かなり危険なので、すぐに身体を冷やしたり、給水したりしてもらい、落ち着いてくるかを見てあげてください。

特に、高齢の子は予備能力が少なくなっているので注意が必要です。

ふらつき

さらに状態が悪化してくると、今度はふらつきも出てきます。

ここまでいくと、体温が下げられたとしても、普段は体温調整をしている視床下部がコントロールを失っている場合があり、逆に体温が下がりすぎてしまったりと危険な状態が続くことがあります。

必ず、体温を下げながら、動物病院に向かってもらい処置を受けるようにしてください。

表情の朦朧感

人間と同様に、熱中症が進むと意識状態が虚になってくることもよくあります。

わかりやすいのが表情が虚になって、目が合わせられない状態になったり、名前を呼んでも反応しなくなります。

ここまでいくとかなり危険です。

最後に

最近では、熱中症意識が高まって、わんちゃん用にも色々な対策グッズが発売されています。

特に、中年〜高齢の子は危険なので、毎年大丈夫でも油断せず対策してもらえたらと思います。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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