獣医さんのコラム(298)獣医さんが解説する若犬で注意すべき整形疾患3選

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する若犬で注意すべき整形疾患3選

  レッグペルテス病

  骨折

  股関節形成不全

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

昨日は子犬の病気の話をしましたが、今日は若いわんちゃんの骨の病気についての話をしたいと思います。

若いと基本的に病気が少ないのですが、骨の病気は少し事情が異なります。

成長期〜成犬になる過程で出てくる病気が意外と多いのです。

そんな病気を3つご紹介したいと思います。

獣医さんが解説する若犬で注意すべき整形疾患3選

レッグペルテス病

少し難しい名前がついていますが、人でも発症する股関節の病気の一つです。

特に小型犬で多く、成長期に大腿骨頭への血流が障害されることで骨頭がだんだんと壊死していく病気です。

壊死というと怖いイメージがありますが、無菌性に徐々に進行するので、見た目からはわかりにくい病気で、どちらかの後ろ足を庇っている様子や、触ると痛がるというような症状が気になって受診され診断されることが多いです。

ちなみに、発症年齢は4ヶ月齢くらいからなのですが、ちょうど避妊/去勢手術をする6~8ヶ月齢ごろに見つかることが多いです。

診断には身体検査所見(股関節の触診で疼痛あり)とレントゲン所見(大腿骨頭の変形)で行い、治療として壊死した大腿骨頭を切除します。

骨折

骨折も1歳以下の若犬でとても多い病気です。

理由は色々あるのですが、若犬の方が活発で事故が起こりやすいという要因もありますが、飼い主さん側もお迎えしたばかりということもあるかもしれません。

さらに、1歳未満の犬の骨はまだ未成熟なため力学的にも折れやすいということもあります。

動物保険のアニコムのデータでは、骨折の発生率は1歳未満から1~2歳までのカテゴリーでは1/2~1/3程度に低下し、1~2歳から2~3歳になると1/2に発生率が低下するといった具合に変化していきます。

ちなみに、骨折の内訳としては前肢が約半分を占めており、落下して前足をついて骨折というケースが一番多いというのも注意したいところです。

股関節形成不全症

レッグペルテス病に続き、股関節の病気をもう一つご紹介したいと思います。

こちらの病気は中型犬〜大型犬で多い病気です。

正常な股関節は大腿骨頭が寛骨臼にしっかりはまって滑らかに動くようになっているのですが、股関節形成不全の子の股関節は成長していく過程で大腿骨頭と寛骨臼が合致しなくなり、その結果、寛骨臼が十分に発達せず、骨頭も変形していく病気です。

この病気は、遺伝的に素因を持っているわんちゃんに環境的な負荷が加わることで発症すると言われており、肥満、急激な成長、高カロリー食、過剰な運動、滑りやすい床などが環境的な発生要因になります。

運動後の跛行やモンローウォーク(腰を振るような歩き方)、ジャンプを嫌がるなどの症状で若い頃に見つかるパターンと、中高齢期に股関節形成不全から進行した骨関節症によって気づくパターンがあります。

若い頃であれば寛骨臼の三点骨きり術で寛骨臼の角度をかえることで治療することができますが、大人になってから診断された場合は人工股関節置換術か大腿骨頭切除術が適応になります。

最後に

左右で筋肉のつきかたをみてみると、問題がある方の足の筋肉が正常な脚に比べてかなり痩せていることもよくあります。

触ろうとするとキャンとなくというのもよくある症状なので、おかしい?と思ったら一度触ってみてもらえるといいかもしれません。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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