獣医さんのコラム(306)獣医さんが解説する秋に多い感染症とは?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する秋に多い感染症とは?

  秋に注意すべき感染症って?

  なんで9月に多いの??

  防ぐ方法は?

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

お盆休みもあっという間に終わってしまいましたね。

お盆休みが終わるともう9月まであっという間です。

そんな今日は、秋の病気をご紹介したいと思います。

獣医さんが解説する秋に多い感染症とは?

秋に注意すべき感染症って?

わんちゃんの混合ワクチンを打つときに、何種にしますか?と聞かれたことはないでしょうか?

この何種かを聞くときの大きなポイントはレプトスピラという病気のワクチンが入っているか

入っていないかです。

7種、8種、9種と増えていっても、予防している病気の種類が増えているわけではなく、このレプトスピラの色々な型のワクチンが増えていっているのです。

そう、お察しの通りこのレプトスピラこそが秋に増える感染症です。

どれくらいかというと、2007年から2011年にレプトスピラ症と臨床診断された283頭のうち、実験室で病原がレプトスピラと証明できた症例83頭は、91%が8~11月に発生しており、さらにその半数が9月に発生していると報告されています。

なんで9月に多いの??

レプトスピラ症はらせん状の細菌が原因で起こる感染症で、感染した野生動物の尿中の細菌が水を汚染し、その汚染した水から粘膜や傷口を介して他の動物に感染します。

そのため、秋に雨や台風などが増え、感染尿に汚染された土壌から水たまりや泥にレプトスピラ菌が流れ出し、感染源が整うのと同時に、暑さの和らいできて、犬を連れての外出も増えるといったことも重なり、9月に感染機会が増えるのではないかと言われています。

ちなみに、なるべく発生数が多く、重症になりやすい血清型を選んでワクチンに入れてはいるものの、ワクチンとしてうっている血清型と感染したレプトスピラの型が一致しない可能性があることや、ワクチンの型と適合していたとしても症状は緩和されるものの発症を100%は防げないということもあったりします。

これらを踏まえると秋のお出かけの際には、水たまりなどをはじめとした水源には近づかないという意識を持っていた方が良いと思います。


症状も知っておこう

ちなみに、代表的なレプトスピラ症の症状は、急性腎不全(おしっこが出なくなりぐったりする)、肝障害・黄疸などで命にかかわります。

秋に川や水たまり、泥に接触し、大体1~2週間後にそういった症状が出た場合は、必ず獣医さんに感染する機会があったことを伝えてほしいです。

この病気は人獣共通感染症といって犬から人にも感染する病気なので、家族や医療者へ移る危険性があり、4類感染症にも指定されています。

診断には稟告が決め手になることが十分に考えらますので、ぜひ覚えておいてほしい病気です。

最後に

ちなみに、もしこの病気が発生した場合、都道府県に届出が必要な病気です。

わんちゃんは直接喋れないので、急性腎不全を起こしたとしても何が原因かを絞り込むのが難しいことも多々あるので、実は報告されているより発生件数は多いのではないかとも思ったりします。

お出かけの際は気をつけてくださいね!

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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