獣医さんのコラム(337)獣医さんが解説する人・猫でも犬でも有名な腫瘍3選

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する人でも犬・猫でも有名な腫瘍3選

  ・リンパ腫

  ・骨肉腫

  ・メラノーマ

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

人と犬・猫は種は違えど、同じ動物です。

そのため、違うところもあれど似たところもあります。

今日はその中でも、人間でも動物でも共通して発症する有名な腫瘍の話をしたいと思います。

獣医さんが解説する人・猫でも犬でも有名な腫瘍3選

リンパ腫

リンパ腫は、免疫細胞の一つであるリンパ球が腫瘍化した病気で、時々、テレビで有名人の病気の話にも登場するぐらい人でも比較的多い腫瘍です。

そして、犬・猫でも発生の多い腫瘍の一つなのですが、人間とは少し違う特徴を持っています。

人間ではリンパ節が腫れることが多く、ホジキンリンパ腫や非ホジキンリンパ腫というような分類をされています。

犬の場合も体表のリンパ節が腫れるタイプの腫瘍が多いのですが、人間のようなホジキン、非ホジキンという分類ではなく、T細胞性やB細胞性といった分類がされています。

さらに、猫では消化管にリンパ腫ができるタイプや縦隔型といって胸腺にできるタイプの方が多いです。

治療も、抗がん剤は共通して人間も動物も使われますが、人間の場合は放射線治療も実施されているのに対し、犬や猫はまだ放射線治療は一般的ではありません。

骨肉腫

人間で骨肉腫といえば、中学生〜高校生などかなり若い子の足にできる腫瘍として度々テレビなどで取り上げられることがあり、知名度のある腫瘍です。

実は、この骨肉腫はわんちゃん、特に大型犬や超大型犬でも発症の多い病気です。

犬でも同じく足の骨に発症して、人間と同じように断脚手術を治療の一環として行います。

人間の骨肉腫も決して大人しい腫瘍ではなく、転移がない場合のでも5年生存率60~75%と言われている腫瘍ですが、わんちゃんの場合はさらに転移しやすく完全寛解が難しい腫瘍で、手術と化学療法を組み合わせても、生存期間中央値が大体9〜12ヶ月と言われている厄介な種類の腫瘍です。

ちなみに、ねこちゃんも稀に骨肉腫が発生しますが、わんちゃんより転移性が低い傾向があり、足にできた腫瘍を手術して長期生存が得られた例も多かったりします。


メラノーマ

一昔前に、ホクロが急にできたら危ないと話題になったことがあったのですが、それがこのメラノーマです。

メラノーマはメラニン色素をつくる細胞が腫瘍化したもので黒い色が特徴的な腫瘍です。

ちなみに、話題にはなったものの実は日本人では発生は少なく、オーストラリアなど紫外線の影響の強い国で、特に白人での発生が多い腫瘍です。

人間は皮膚にできるのが一般的な腫瘍ですが、わんちゃんの場合は口の腫瘍としてとても有名で、リンパ節転移や肺転移など転移しやすい厄介な腫瘍として知られています。

ちなみにわんちゃんでも皮膚に黒色の腫瘍ができることもあるのですが、悪性のメラノーマではなくメラノサイトーマという良性腫瘍のことが多いです。

一方で、ねこちゃんのメラノーマは目の虹彩にできる腫瘍として有名です。

転移率は、口腔内メラノーマに比べ低めではあるものの、目の中にできるため診断しづらいという特徴を持っています。

最後に

いかがだったでしょうか?

聞いたことのある腫瘍はありましたか?

職業柄、腫瘍の話題にアンテナがたちやすいということもあるのですが、それにしても同じ名前の腫瘍でも動物種によって様々だなと思い、この話題を取り上げてみました。

へぇーっと思っていただけたら幸いです。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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