獣医さんのコラム(341)獣医さんが解説する隠れ関節症になっていませんか?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する隠れ関節症になっていませんか?

  ・意外と関節症の子は多い

  ・どんな症状?

  ・治療は?

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

秋も深まり寒くなってきましたね。

これからの季節は足腰に堪える季節です。

今日は、そんな足腰に隠れた痛みを抱えてる子達の話をしたいと思います。

獣医さんが解説する隠れ関節症になっていませんか?

意外と関節症の子は多い

人も年をとると、腰が痛くなったり、肩が痛くなったりと色々と痛いところが出てくるものだと思います。

この痛みは多くの場合は関節症という疾患に由来していることが多いです。

実は、それはわんちゃんやねこちゃんも一緒です。

ただし、動物さんの場合は、不調を隠してしまう性質があるため、わかりにくいという特徴があります。

実際問題で言うと、

わんちゃんもねこちゃんも人間より、犬種や猫種によっては若齢で痛みが出てくる、つまり関節症を若齢発症している子たちもいます。

そして、若齢発症しない場合でも人間と同じように年齢とともに関節症を患っている子達が増えていきます。

ちなみに、わんちゃんの場合は3歳未満で関節症と診断される子と比較して、3〜6歳だと約4.5倍、6〜9歳で約13倍、9〜12歳で約29倍、12歳以上ではなんと59倍も関節症と診断されることが増えます。

ねこちゃんの場合は、6歳以上だと61%、12歳以上だと90%以上は関節症の所見がレントゲンで確認されると言われています。

どんな症状?

ちなみに、わんちゃんとねこちゃんでも症状の出方が少し違います。

わんちゃんの場合は、寝ていた後などの動きだしがぎこちなかったり、お散歩を嫌がる、お散歩の途中で座り込んでしまうというような症状が出ることが多いです。

触って痛がるという鋭い痛みというよりは、鈍い痛みが出ます。

ねこちゃんは、わんちゃんよりもっと症状がわかりにくいのが特徴です。

よく言われるのが、ジャンプをしなくなったや高いところに登らなくなったというものです。

わんちゃんと同じように動きだしの違和感もあると思うのですが、わんちゃんより目立たずあまり気づかれないことが多いです。


治療は?

基本的に、関節症を治すことは難しいので治療=治すというわけではありません。

治療の目的は疼痛緩和になってきます。

それも踏まえて、治療としてされているのは、

①痛み止め/運動制限

関節症は悪化する時期もあり、炎症が強くなる場合があります。

その場合は、安静にしてもらいNSAIDsという消炎鎮痛剤を使うことが多いです。

②減量

体重を調整すると、関節にかかる負担がかなり軽減できるため、悪化しないように管理するのに有効です。

10%程度の減量で階段をまた登れるようになる子がいるくらいです。

③抗NGF抗体薬

神経成長因子(NGF)に結合することで疼痛シグナルを抑える薬で、4週間に1回注射をして疼痛を管理するのに有効な薬です。

④レーザー治療

光エネルギーを患部にあて、疼痛や炎症の軽減させる治療です。

レーザー治療で疼痛や機能評価に改善が認められています。

⑤サプリメント

抗炎症作用のある脂肪酸などを用いたサプリメントが効果的な場合もあります。

ただし、サプリメントは即効性があるというより、徐々に効果が出るため1ヶ月程度継続して使用する必要があります。

最後に

関節症は日によって症状が違うので、調子が悪そうな日は無理をせずゆっくり過ごしてくださいね。

あとは、体重管理はとっても大事なので、足腰に課題がある子は心を鬼にしてダイエットをしてもらえたらと思います。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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