
もくじ
1. ごあいさつ
2.祝100回!獣医さんの記憶に残っている患者さんエピソード
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
コラムもめでたく100回目を迎えました!
今回は100回目ということで、今まで診察してきた中で記憶に残っているエピソードを3つ選んでみました。
まだまだ新人〜若手だった時のお話が中心です。
祝100回!獣医さんの記憶に残っている患者さんエピソード

獣医1年目ドライマンゴーが大量に出てきた話
獣医師1年目当時、夜間救急に研修に行っていたことがあり、未熟なりに技術をあげるために頑張っていました。
そんな中で、自分で患者さんを診るようになってすぐに誤食したわんちゃんが来院しました。
まだまだ緊張しながら、診察したことを覚えています。
覚えたての催吐処置をドキドキしながらしたところ、大量のドライマンゴーが!?
小さなわんちゃんに、こんな量がというほどの黄色い塊が出てきて本当にびっくりしました。
飼い主さんにも涙ながらに感謝され、びっくりと達成感と嬉しさが混ざり合っていまだに覚えています。
獣医師にとって、やはり1年目の新人の頃に受け持った子のことは思い出深いものだと思います。
新人だと、疑わしい目で見られたりと大変なことも多いですが、一所懸命です。
そんな頑張りを認めてもらえた時は嬉しいものなのです。
ブリーダーさんも素敵な人がいるなと思った話
獣医さんは、あまり良くないブリーダーさんに出会ったり、良くない話を聞いたりする機会が多い立場なので、ブリーダーさんに対してすごくいい印象を持っている人はめずらしいのではないかと思います。
そんな中で、かかりつけで帝王切開をして麻酔から覚めなくなってしまい、私が勤める病院に来られたブリーダーさんがいらっしゃいました。
そのブリーダーさんは、繁殖犬だから…といった主治医さんの冷たい態度に憤って、自分で調べてCT/MRIがあるうちの病院を受診されました。
その子は結局、脳浮腫を起こしていて治療をしても意識が戻らないまま亡くなってしまいましたが、MRIや集中治療室での治療まで毎日お見舞いにきて望みを捨てずに頑張ってくださいました。
治療を続ける中で、その飼い主さんにブリーディングをするわんちゃんみんなに愛情を注いで、プライドを持ってブリーディングをされているお話を聞いて、こういうブリーダーさんもいることに驚かされました。
献身的なブリーダーさんに初めて出会って衝撃を受けたことを覚えています。
もう10年も前の話ですが、その子の名前はいまだに忘れられません。
ねこちゃんを一所懸命治療してくれた紳士に出会った話
動物病院にいると、わかりやすい教科書通りの病気以外の病気にも遭遇します。
そんな時は手探りで検査や治療を考えていくことになり、より飼い主さんとの連携やコミュニケーションが大切になってきます。
まだまだ若手の頃、そんな教科書通りいかない子ねこさんを診させてもらっていたことがあります。
そのねこちゃんは、たまたま拾った子ねこちゃんだったのですが、毎回、上品なおじいさんが連れてこられていました。
最終的に色々、検査をさせてもらった上で、MRIで脳室内の炎症が見つかり小康状態になりましたが、この当時、MRIを撮るのにも車で4〜5時間かかる施設に行ってもらわなければならず、しかも費用は高額で、絶対何かが見つかると言い切れないまま検査に行ってもらうのは勇気がいることでした。
そんな状況で、獣医師として信頼していただけたことが何よりの自信になりました。
この子の名前もいまだに忘れられないです。
最後に
残酷なエピソードや、え?っと思うようなエピソードも数あれど、今回は記念すべき回なので、嬉しくて忘れがたいエピソードを書いてみました!
また、いつか機会があれば他のエピソードも取り上げてみたいと思っています。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ