
もくじ
1. ごあいさつ
・粉の場合
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
病院ではついつい飲ませてくださいねと軽く言ってしまいがちなのですが、薬を飲ませるのは大変ですよね。。
今日は、反省もかねて薬の飲ませ方をまとめてみたいと思っています。
ねこちゃんはまたちょっと違うのでまずはわんちゃん編をおおくりしたいと思います。
お薬の飲ませ方~わんちゃん編〜

お薬の形状
お薬の形状も実は大切です。
飲ませるのにあまり苦労をしないわんちゃんは錠剤の方が楽だと思いますが、飲むのが苦手なわんちゃんには粉の方がいいと思います。
あとは、保存の問題もあり、粉にしてしまうと酸化してしまったり、吸湿してしまったりと問題が出てくる可能性があるので、できれば1ヶ月以内には使いきってもらいたいところですが、諸々の関係もあって現実には2〜3ヶ月分処方していることもあります。
そもそも薬の本来の使い方としては1錠単位なのですが、動物さんの場合は体重の問題で錠剤を割ったり、粉にしないと処方できなかったりもするので、このあたりはなかなか難しい問題です。
慣習的には問題が起きたことはないですが、長期で常備しておきたい場合はシートのまま錠剤で処方してもらうことをお勧めします。
錠剤の場合
なんでも喜んで食べてくれる子は、錠剤のまま缶詰やさつまいも、おやつなどに隠して食べてもらうのが1番楽だと思います。
わんちゃんは意外と丸呑みするので気づかず食べてしまうことが多いです。
注意点は、ごはんに混ぜてしまうと飲み残してしまったりということがあるので、先に手から与えてしっかり飲んだことを確認することです。
薬を飲むのが苦手なわんちゃんの場合は、口の中に直接錠剤を入れて飲ませるやり方もあります。
舌の根本の方に錠剤を置いてごっくんしてもらわなければいけないので少し難易度は高いかもしれません。
ただ、慣れてしまうと薬を飲んでくれない子にも投薬ができるので、一度試してみてもらうのもありかもしれません。
ポイントは、口に錠剤を入れた後にマズルをもって吐き出さないようにすることと、喉を刺激すること、注射器などでお水も口に入れてあげることです。
粉の場合
薬が飲むのが苦手で、口に直接錠剤を入れるのはちょっと無理という場合は、錠剤より粉の方が飲ませやすいと思います。
まずは、味の濃いものに粉を混ぜて、お腹の空いているであろうごはんの前に与えてみてください。
わんチュールや缶詰とかに混ぜると与えやすいです。
それでもダメな子には、わんチュールや缶詰に混ぜた薬を上顎に塗って食べてもらうという方法や粉をシロップとお水(わんちゃんは甘みが好きで薬の苦味を紛らわしてくれます)に溶かして注射器を使って、犬歯の後ろの少し隙間があいているところから注射器の先を入れてちょっとずつ舐めさせるという方法を試してみてください。
ポイントは、焦らずちょっとずつ口に入れることです。
上顎に塗る場合は前から、注射器で飲ませる場合は後からの方が口に入れやすいのでぜひ試してみてくださいね。
最後に
薬を飲ませた後に、こっそり吐き出しているわんちゃんや口の周りの毛に薬がついて固まっているわんちゃんもいるので、必ずしっかり飲めたかを確認してくださいね。
特に、抗生剤や心臓の薬、ステロイド、ホルモン関係の薬は飲み飛ばさないほうがいい薬なのでご注意いただけたらと思います。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ