獣医さんのコラム(102)獣医さんが解説するお薬の飲ませ方~ねこちゃん編〜

もくじ

1. ごあいさつ

2.お薬の飲ませ方~ねこちゃん編〜

 お薬の形状

 錠剤の場合

 粉の場合

 液体の薬の場合

 どうしても飲んでくれない子の場合

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

昨日はわんちゃん編をおおくりしましたが、今日はねこちゃんの投薬について書いてみたいと思います。

わんちゃんは手こずることはあっても最終的になんとか投薬できることが多いのですが、ねこちゃんはさらに大変な時があります。

そんな時はどうしているかなどもお話しできたらと思っています。

お薬の飲ませ方~ねこちゃん編〜

お薬の形状

まずお薬の形状についてなのですが、わんちゃんとは違って錠剤は難易度が高めです。

ただし、慣れてしまえばというところもあって病院では錠剤を飲ませていることの方が多いかなと思います。

今回はそれぞれの投薬の仕方をご説明したいと思います。

錠剤の場合

ねこちゃんはわんちゃんよりフード噛んで飲み込むことが多いので、基本的に錠剤を隠していても見つけ出して吐き出してしまいます。

なので、わんちゃんのように好物に包んで投薬は難しいです。

錠剤を飲ませる場合は、舌の奥に錠剤を置いて飲ませるという方法を使います。

流れとしては、左手で頬の骨を持って上を向いてもらう⇨錠剤を持った手の指をねこちゃんの口に差し込んで、開かせる⇨舌の根本の方に錠剤を置いてくる⇨両手で顔を包んでお口を閉じた状態に保つ⇨注射器で水を口に入れる

といった感じで、錠剤を飲ませています。

注意点は、ねこちゃんは食道の動きが悪いのでしっかり流し込んであげないと食道に錠剤が張り付いたままになることがあります。

特にビブラマイシンといった抗生剤は食道に炎症を起こして狭窄の原因になるので、しっかりお水を飲ませてくださいね。

難易度が高そうに思うかもしれませんが、慣れると意外と飲んでくれる子が多いので一度試してみてくださいね。

粉の場合

錠剤は、なかなかうまくいかないこともあると思うので、一般的に粉にしてもらった方が簡単かなと思います。

缶詰やチュールに混ぜると自分から食べてくれる子もいます。

自分から食べてくれない場合は、上顎に塗りつけて食べてもらいましょう。

難しく思えるかもしれませんが、錠剤を飲すよりかなり簡単なので試してみてください。

ちなみに、わんちゃんでよく使う粉をお水とシロップで溶いて注射器で飲ませるいうやり方はねこちゃんの場合は難しいです。

ねこちゃんの場合は甘みはわからないので薬の苦さで泡をぶくぶく出してしまったり、よだれが止まらなくなったりします。

液体の薬の場合

液体の薬を使っている方もいらっしゃると思います。

ねこちゃん用の商品は基本的には飲ませやすいようにできていますが、わんちゃん用の商品をねこちゃんにも使っている場合は苦味が強い場合があります。

液体の薬でよだれが出て飲めないといった場合は、ねこちゃん用のものかを確認してもらい違うようであればねこちゃん用のものに変更するといいかもしれません。

どうしても飲んでくれない子の場合

ねこちゃんの場合、何をやっても全力で抵抗して飲んでくれない子もたまにいます。

そういう子には注射を使っていることも多いです。

病院で注射する2週間程度効く抗生剤を使うこともありますし、どうしても毎日投薬しないといけない場合は飼い主さんに練習してもらって投薬してもらったりもします。

お家で注射!?と思うかもしれませんが、練習してもらったら皆さんできるようになっていたので意外と思っているより簡単に習得できると思いますよ。

ちなみに、ねこちゃんの場合、糖尿病のインスリン注射や腎不全での点滴なども自宅でしてもらうことがあるので、わんちゃんより注射を自宅で刺してもらうことが多いです。

どうしてもお困りの方は獣医さんに相談してみてくださいね。

最後に

ねこちゃんの投薬には色々な思い出があります。

怒ってしまうねこちゃんの投薬などは、どうにか上手くできないか毎回試行錯誤の連続です。

それぞれに合ったやり方があるので、その子の性格や行動パターンなどを考えつつ色々な方法を試してみてくださいね。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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