獣医さんのコラム(119)獣医さんが解説するここをおさえよう!熱中症対策!

もくじ

1. ごあいさつ

2.ここをおさえよう!熱中症対策!

  ①輻射熱の対策

  ②色の対策

  ③犬・猫種の対策

  ④部屋の温度の対策

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

昨日は熱中症リスクの話をしましたが、今日は熱中症の対策についてのお話をしてみたいと思います。

最近では熱中症対策のグッズを使ってもらっているのをよく見るようになりました。

ただ、獣医さん的にこう使ったほうがいいなと思うこともあるので、その話もしたいと思います。

ここをおさえよう!熱中症対策!

①輻射熱の対策

昨日は輻射熱の話で、わんちゃんは人間より地面からの影響を強く受けるという話をしました。

夏は日中のお散歩を避けてもらうことはもちろん、実は夜のお散歩も注意が必要です。

なぜなら、日中のうちに地面に蓄えられた熱が夜に放熱されるからです。

日が暮れても暑さが続くので、夜でも熱中症のリスクがあることを念頭においておく必要があります。

特に、暑さに弱いわんちゃんは夜のお散歩を21時以降の遅い時間にしたり、お水を撒いて暑さ対策をした上でお外に連れていくなど注意してあげてくださいね。

色の対策

昨日、白い色と黒い色では、表面温度が20℃かわってくるということを説明しました。

黒い被毛のわんちゃんは夏に熱中症リスクがとても高いです。

被毛の色はかえられないので、黒い被毛のわんちゃんをどうしても日中外に出さないといけない時は、一つの対策としては白い洋服を着せてもらうことをおすすめします。

さらに、その洋服を濡らしてもらうと汗をかいて体温を下げれないわんちゃんにとって気化熱で体温が下げることができ、汗の代わりをしてくれるのでとてもおすすめです。

あとは、よく見る首に巻くタイプの冷却グッズについてなのですが、

よく首の後ろに巻いている方がいらっしゃいますが、体温を下げるには首の前側を通る頸動脈を冷やすことが重要です。

わんちゃんも基本的な体の構造は一緒なので冷却グッズは首の前の方にくるように巻いてあげてくださいね。

③犬・猫種の対策

短頭種は呼吸器の問題で暑さにとても弱いです。

そこで、短頭種のわんちゃんやねこちゃんは他の犬種より暑さ対策はしっかりしないと夏は危ないです。

夏の移動は、犬用のカートで地面から距離をとり、冷却グッズと濡らせる服もおすすめです。

さらに、カート用の扇風機をつけてもらい、こまめにお水を飲ませるように注意してください。

ねこちゃんの移動のときも要注意!

キャリーは熱が篭りやすいので、凍らせたペットボトルや大きめのアイスノンなどを入れて暑さ対策をしてあげてくださいね。

扇風機に関しても注意点があります。

扇風機は風を起こすことも重要なのですが、風をあてて汗を蒸発させることで体温を下げるという役割も持っています。

わんちゃんは昨日も書いた通り、肉球以外は汗をかけないので扇風機の効果をしっかり出すには、濡らした洋服を着てもらった上で使ってもらう必要があります。

短頭種さんは必ず濡らすことをお忘れなく!

④部屋の温度の対策

昨日は、高断熱高機密の最近の家では日差しで部屋に熱が溜まることをお話ししました。

熱が一度溜まると抜けにくくなるので、お昼間でも遮光カーテンを適宜使ってもらいしっかり冷房を使ってくださいね。

どうしても、冷房をつけれない場合は、

部屋を締め切ってしまわず、自由に涼しい場所に移動ができようにしておいてください。

あとは、必ずここで寝るという決まった場所がある場合は、冷却マットを使ってもらうことも一つだと思います。

最後に

経験上、究極に熱中症リスクが高いのは黒いパグさんかなと思っています。

たまに、黒パグさんが夏の日中にお外を散歩していてパンティングが止まらなくなっているのを見かけますが、本当に危険なので絶対にしないでください。

ちなみに他のわんちゃんでもパンティングが止まらなくなったら、危険なサインなので必ず一旦お散歩などを中止して冷やしてあげるようにしてあげてくださいね。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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