もくじ
1. ごあいさつ
・子宮水腫
3. 最後に
ごあいさつ
こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
前回、前々回と健康診断シリーズをおおくりしてきましたが、今回は実際に健康診断で発見した病気をテーマにしてみようと思います。
私は足掛け7~8年、年に2回健康診断キャンペーンでわんちゃんとねこちゃんの健康診断をしていました。
その間に健康診断でたくさんの病気に出会いましたが、その中でこれは発見できて良かったなという病気を5つピックアップしてみました!
書いているうちに、またまたどんどん長くなっていまい、前編、後編に分けました。
今回は、前編では子宮水腫と多発性腎嚢胞を取り上げてみたいと思います。
健康診断でわかったこんな病気5選
・子宮水腫
子宮蓄膿症という病気は有名だと思います。
子宮蓄膿症はその名の通り、細菌が感染して子宮の中に膿が溜まる病気ですが、未避妊の女の子を健康診断で超音波検査をすると、膿ではなくお水が溜まっている子宮水腫という状態になっていることも割とあります。
お水が溜まること自体は特に症状はないですが、子宮の中が異常な状態なので、感染して蓄膿症に発展しやすい状態ともいえます。
この時点で、計画的に避妊手術をしておくと、具合が悪くなって緊急で手術するよりよっぽど安全なので、見つけた場合は避妊手術を勧めたり、手術は避けたいという方には子宮蓄膿症という病気を説明して、より気をつけてもらうよう注意喚起できるので、この病気は見つけておいて良かったなと思う病気の一つです。
・多発性腎嚢胞
多発性腎嚢胞はねこちゃんに遺伝的に起こる病気で、腎臓に嚢胞という袋のようなものが複数できます。
腎臓自体の機能を損なうほど嚢胞が増えると腎不全の症状が出たり、肝臓や膵臓に嚢胞ができたりすることもあるので、経過観察が必要です。
この病気はレントゲンや血液検査だけだとわからないことが多いので、若くても超音波検査までさせていただいて良かったなと思いました。
遺伝的な体質は発症を防ぐことはできないですが、早く知ることができれば、その後に備えることができると思うので、獣医さんとしてはできるだけ早めに見つけてあげたいなと思います。
最後に
病気は、獣医さんとして早く発見してあげたいということはもちろんのこと、
もう少し広い話をすると、今まで見つかってこなかった病気が早期に見つかって、情報が蓄積していくことで、その病気の治療法が見つかったり、医療が発展していく一歩になります。
健康診断を勧めると、儲け主義のように思われたりすることもあって、なかなか難しいこともあるのですが、色々な意味で勧める意義のあることだということがもっと広まっていったらいいなと思っています。
それでは、また次回のコラムで!