獣医さんのコラム(153)獣医さんが解説するわんちゃん、ねこちゃんの臭い問題

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説するわんちゃん、ねこちゃんの臭い問題

  臭いのもとなりやすい部分

  にゃんこのおしっこの臭い問題

  ・うんちの臭いが臭い

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

本日は臭い問題!

一緒に過ごす上では、臭いは大切ですよね。

今日はそんな臭いにまつわる話をしたいと思います。

獣医さんが解説するわんちゃん、ねこちゃんの臭い問題

臭いのもとなりやすい部分

わんちゃんとねこちゃんでは臭いの出方がちょっと違います。

ねこちゃんの場合は、おしっこの臭いも関わってきますがそれは一旦置いておいて純粋な臭いの話をしたいと思います。

①わんちゃん

わんちゃんはねこちゃんに比べて体臭が強い動物さんです。

特に、中型犬以上のわんちゃんでは独特の獣臭?がしやすいので純粋な体臭ケアという意味では週1回程度のシャンプーをした方がいいかなと思います。

ちなみに小型犬さんはそれよりは体臭が目立ちにくいので、わんちゃんによっては1ヶ月に1回程度のシャンプーでも大丈夫な子もいます。

さらにわんちゃんは体臭に加えて、部分的な臭いも気にする必要があります。

特に臭いが気になりやすいのは口です。

これは歯からくるものなので、毎日習慣的な歯ブラシをしてもらったり、デンタルケア用のサプリメントなどを使ってもらうとだいぶマシになります。

歯の問題は特に小型犬で悪化しやすいので、小型犬の子は特に注意が必要です。

その他にも、肛門腺という肛門の4時方向と8時方向についている臭腺がたまってくるとお尻の方からなんとも言えない臭いが漂うことになります。

溜まりやすさは個体差があるので、お尻が臭い子は一度絞ってみるとよいと思います。

また、外耳炎気味になると耳の臭いがキツくなることがあります。

普段は、軽く拭く程度で大丈夫ですが、臭いがキツくなったら感染性の炎症を疑ってくださいね。

②ねこちゃん

ねこちゃんは体臭に関して言うと、グルーミングをする習性があるのでわんちゃんに比べると目立ちにくい動物です。

シャンプーを嫌がる子も多いので、定期的なシャンプーが必ず必要というわけではありません。(臭いが気になるようならその時にシャンプーをする程度でOKだと思います)

ただし、口の中は注意が必要で、歯周病で臭いがついた唾液をグルーミングで全身に塗りつけることで、体毛に臭いがつく場合があります。

ねこちゃんもわんちゃんと同じくらい歯周病が発生するのでデンタルケアは臭いという面でも重要です。

にゃんこのおしっこの臭い問題

ねこちゃんでよく問題になるのが、おしっこの臭いです。

ねこちゃんのおしっこはわんちゃんと違った独特な臭気がします。

特に未去勢の男の子は臭いがキツくなるので、発情行動や尿スプレーの抑制とともに尿臭の軽減のためにも去勢はキーポイントになってくると思います。

臭いの対策としては、昔からある固まる砂のタイプのトイレよりシステムトイレ(おしっこを下の落とすタイプのトイレ)の方が臭いがマシになることが多いです。

さらに、最近では自動トイレも購入しやすくなってきており、臭いの対策にも有効です。

うんちの臭いが臭い?

うんちの臭いは、一般的に肉類が多いとアンモニアや芳香族アミンといった臭い物質が増え臭くなります。

なので、便の臭いが生理的に合わない場合はフードの種類を変えると臭いがかわるので試してみてください。

さらに、食事とは関係なく臭いがきつい子もいます。

そういった子には原因として以下のことを考慮する必要があります。

①腸内フローラのバランス

悪玉菌が増えてしまっていることが原因となっていることがあります。

整腸剤などの内服で腸内細菌のバランスを整えることで改善する可能性あり

②消化器に関連した疾患

食べ物が胃から腸に降っていく過程で様々な消化液と混合され、最終的に便になっていきます。

その過程の臓器に問題が隠れていることで臭いがかわってしまっている可能性があります。

③慢性出血

これも消化管の疾患に関わっていますが、消化器で慢性的な出血があったりポリープなど出血するようなものがあったりすると、独特な臭いがします。

鉄くさい悪臭の場合は出血の可能性ありです。





最後に

世間的にはねこちゃんは臭いと言われるのですが、猫好きさん的には猫吸いといって後頭部に顔を埋めて臭いを嗅ぐのが好きな人が多いです。

一般の人とその動物を飼っている人の間ではかなり深い溝がありますよね汗

臭いと言われているのはおしっこの臭いのことじゃないかと思うので、猫と暮らしていない方々にもぜひ一度猫吸いをしてみてもらって臭いの感想を聞きたいものです。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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