獣医さんのコラム(177)獣医さんが解説する見逃さないで!乾燥のサイン

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する見逃さないで!乾燥のサイン

  特に注目してほしい場所は?

  乾燥のサイン

  ・対策しよう

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

毎年、寒くなると足が乾燥でカサカサしてきたりしますよね。

動物さんは毛があるので、意外と乾燥に気づきにくいですが、実は同じように乾燥しています。

今日はそんな話をしたいと思います。

獣医さんが解説する見逃さないで!乾燥のサイン

特に注目してほしい場所は?

乾燥の季節がやってきました。

この季節は、空気が乾燥していることに加え暖房でさらに乾燥してしまうので、人間だけではなくわんちゃんやねこちゃんにも乾燥の症状が出てくる季節です。

乾燥といえば、身体の中の乾燥もあれば、口の乾燥など色々あるのですが、その中で特に注目してほしいのは皮膚と眼の乾燥です。

もちろん、どの部分でも乾燥はマイナスです。

ただ、この2つの部分に関しては、乾燥から痒みが出て、掻いてしまって病院に行かないといけないような状態になりやすい場所なのです。

そういった意味でこれからの季節はこの2つの場所に注目してあげてもらえたらと思います。

乾燥のサイン

実は乾燥の症状には何段階かあります。

掻き出してひどくなる前に、まずは乾燥のサインが出てくるのでそれをチェックしてもらえたらと思います。

まずは皮膚なのですが、

乾燥の初期段階は身体を触ろうとすると静電気が起きるようになります。

次に、フケがういてきたり、掻くしぐさが増えてきます。

フケに関しては背中がわかりやすいです。

さらに乾燥がひどくなると、痒みが強くなるので皮膚に赤みが出てきたり掻いたり舐めたりという行動が目立ってきます。

眼に関しては、

1番初めは、眼がちょっと乾いてきていつもの輝きがかげって見えます。

次に、水分が減ったことで粘液成分が多くなり白〜黄色っぽいねっとりとした目脂が出てきて、目を気にするようになります。

それを通り過ぎると、痒みがさらにひどくなり、結膜炎を起こして目を擦り付けるようになります。

皮膚も眼も痒みが出る前の初期段階で気づけるのが理想です。

というのは、痒みの感じ方はその子その子で違うので、気にしやすい子だと少しの痒みでも突発的に掻いてしまって急に状態が悪化することがあるからです。

ぜひ今年は、乾燥をチェックしてみてくださいね。

対策しよう

乾燥対策のグッズはたくさんあるのですが、実際に使っていて取り入れやすいものをご紹介してみたいと思います。

まずは、皮膚に関しては、

人間が使うようなクリームやワセリンのような形態は全身的な乾燥対策には使いにくいです。

なので、1番取り入れやすいのはスプレータイプの保湿剤かなと思います。

中の成分も色々あるのですが、使ってもらっている感じは成分よりどれぐらい習慣的に使っているかによってくるように思います。

病院で取り扱っている保湿剤は、保湿力が強くて良いのですが、日常使いにはベタついてしまって使いづらいこともあるので、まずは市販のスプレーを選んでもらって継続して使ってみてもらったらいいと思います。

次に、眼に関してなのですが、

病院から処方してもらえるのであれば防腐剤無添加のヒアルロン酸点眼を処方してもらうのが良いと思います。

ヒアルロン酸には0.1%と0.3%があるのですが、乾燥対策ということであればどちらでも構わないです。

0.3%の方が持続時間は長いのですが、ベタつく(ちょっと重い)感じがあるので日常使いには好みが分かれるかもしれません。

1日2〜3回点眼してみてくださいね。

もし、動物病院で処方してもらうのが大変であれば、薬局に売っているソフトサンティアという人工涙液は防腐剤なども入っていないので使いやすいかもしれません。

ヒアルロン酸と比べると持続時間が短いですが代用になると思います。

ヒアルロン酸の点眼も薬局に置いているのですが、防腐剤が入っているものも多いのでご注意ください。

獣医師の管理下で治療に使うのであれば問題ないのですが、乾燥対策として自宅で使ってもらうのであれば、できれば防腐剤が入っていないものの方がいいので、薬局でヒアルロン酸点眼を探すのであれば防腐剤無添加のものを探してみてくださいね。

最後に

ご自宅でシャンプーされる方は、シャンプーの後は眼も皮膚も水分が奪われやすいです。

これからの季節は、点眼薬と保湿剤を併用してもらった方が乾燥対策には良いと思います。

保湿してもらうと、何となく出る痒みが落ち着く子も多いのでぜひ試してみてくださいね。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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