
もくじ
1. ごあいさつ
2.獣医さんが解説するいま一度チェック!災害対策してますか?
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
実は、病院運営をしていたころに台風を甘くみて反省させられたことがあります。
病院のあった地域は台風の直撃をあまり受けないというか、受けてもあまり大きな被害にならない経験があって、そのときも臨時休診にしたものの大丈夫かなと思っていました。
ところが蓋を開けてみると、病院の入っているマンションの電力が1週間復旧せず診察できなかったという経験があります。
今日は、自分は大丈夫と思ってしまいがちな災害が実際起こったときのシュミレーションをしつつ、対策についての話をしたいと思います。
獣医さんが解説するいま一度チェック!災害対策してますか?

想定される災害って?
地域によってどういった災害が多いかは様々だと思います。
そこで今回は、どの地域でも起こりえるであろう災害をピックアップして、そのときに動物さんたちに必要な災害対策について考えていきたいと思います。
まず、被害が比較的軽く済みそうなものからいくと、
①台風の直撃
最近の傾向としては、台風直撃が予想されている場合は動物病院も計画的に臨時休診にするところが増えてきたと思います。
被害が軽い場合は1日、長くて2日間程度病院がお休みというケースが考えられます。
ただし、電線が切れてしまったりという被害があった場合、復旧まで1週間程度病院が休診になるというパターンもあることを想定しておいてもらうといいと思います。
②台風の直撃+河川の氾濫
通っている動物病院がハザードマップで被害を受けやすい地域にある場合は長期で休業ということも考えられます。
また、動物病院が大丈夫でもご自宅が被害にあいやすい地域であった場合は、垂直避難(2階などへの避難)や避難所への移動が必要なケースが考えられます。
台風や河川氾濫のときは、比較的自宅待機している場合が多いとは思うので、飼い主さんが側にいるという点と、氾濫に備える時間があるという点は準備がしやすいかもしれません。
③地震被害+建物の倒壊など
地震の場合は、お家を留守にされている可能性があるという点で動物さんにとっては1番厄介な災害だと思います。
もちろん、避難を想定することも大切ですが、まずはパニックになったり、隠れてしまっていたり、外に出てしまっている動物さんをどう確保するかとどう安全を守るかが重要になってくると思います。
地震に関しては、その後の津波被害など想定できる最悪なシナリオはいくらでもありますが、まずは予期せぬ建物や家具の倒壊などからのペットの失踪や怪我にスポットをあててみましょう。
まだまだ、災害はいろいろあると思いますが、今日はまずはこの3つを想定した対策についてをまとめていきたいと思います。
これを備えておこう!
まずは、①台風の直撃に関してなのですが、
避難が必要でない場合でも、毎日飲んでいるお薬や療法食を予備がない日数で処方してもらっている方は要注意です。
不意な事態で、その日が臨時休診になって足りなくなってしまうということは結構よくあります。
ぜひ、予備を少なくとも1週間程度は確保しておいてもらう習慣にかえてもらえるといいと思います。
全ての病気の子でお薬はきれないようにしておいてもらった方がいいですが、とくに、利尿剤が必要なぐらいの慢性心不全の子や副腎機能低下症の子、ステロイドが必要な疾患の子はお薬を切らさないようにしておいてください。
次に、②台風に水害などが伴う場合は、
復旧にかなりの時間がかかることや避難しないといけないという事態が考えられると思います。
垂直避難や避難所への移動が必要な場合を考えて、持病がある場合はお薬を1〜2週間分と療法食を使っている場合は療法食も1〜2週間分はすぐに運び出せるようにしましょう。
あとは、いつもかかっている病院と連絡が取れない事態に備えて、お薬事情がわかる明細や検査結果、ワクチンの証明書なども持ち出せるようにしておいてくださいね。(書類を持ち出すのが難しい場合は写メでも!)
ペット用の災害袋を作っておいてもらえるといいと思います。
最後に、③地震で倒壊などが伴う場合は、
もちろん②でのフードの確保やすぐに運び出せる準備(災害袋の準備)も必要です。
ただ、1番大切なことは不意のことで、動物さんを見失ったり、怪我をさせないようにすることです。
まず、動物さんがいなくなってしまったときを考えてマイクロチップや首輪などの見つかりやすい工夫をすることも大切です。
最近では首輪タイプのペット用GPSも販売されているので、そういったツールを活用することも選択肢のひとつに加えておいてください。
あとは、怪我に対する対策として一つ提案できるのはお部屋の中にセーフスペースをつくることです。
何かあったときに、いつも必ず逃げ込む場所としてハードタイプのキャリーケースを部屋の中に扉を開けた状態で設置するのがおすすめです。
さらに設置場所を、何かが倒れてこないところや倒れてきても隙間になるところにするとさらに良いです。
危険を察知して、自分で安全な場所に逃げ込む習慣がつくと、お留守の時の怪我防止にもなりますし、災害時にご自宅にいる場合は扉を閉めて運びだすだけで避難ができるのでおすすめです。
ただし、セーフスペースとして使っているハードケースは日常の通院などには決して使わないでくださいね。
獣医さんが特に重要だと思う備え
安全はもちろん大切なのですが、その後の医療的なサポートとして1番重要なのは情報です。
どんな病気を持っていて、どういう経過があって何という薬をどのくらいの量飲んでいるかを完璧に説明できる人はほとんどいません。
なので、ある程度病気の名前や状態がわかっているということと、携帯で明細や検査結果、薬の処方量などがわかるものを記録として写真を撮って、フォルダにまとめておく癖をつけておいてもらえるとすごく助かります!
臨時でお薬を処方する場合も、急に悪化した場合も、医療設備が復旧しておらず検査をできない場合も、情報があるとないのでは大きく違ってきます!
あとは、もしかかりつけ病院にあるカルテのデータが失われても被害を最小限で済ませられると思います。
最後に
災害の話ももうちょっとだけさせてもらえたらと思っています。
明日のテーマは、避難に対する基礎知識です!
秋は災害の多い季節でもあるので、この機会にぜひ一度考えてみててださいね。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ