獣医さんのコラム(219)獣医さんが解説する椎間板ヘルニアでも亡くことがあるって知ってる?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する椎間板ヘルニアでも亡くことがあるって知ってる?

  一般的な椎間板ヘルニアの症状

  亡くなることがあるって本当?

  ・脊髄軟化症とは?

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

本日は引き続き、冬の病気『椎間板ヘルニア』についてのお話をお届けしたいと思います。

昨日は腰痛=椎間板ヘルニアではなく、麻痺を起こすことがあることを書きましたが、それだけではなくこの病気はある怖い病態につながります。

今日はそんな話をしたいと思います。

獣医さんが解説する椎間板ヘルニアでも亡くことがあるって知ってる?

一般的な椎間板ヘルニアの症状

昨日、椎間板ヘルニアが腰痛を起こすだけの病気ではなく、本質的には麻痺を起こす病気であることを書きました。

その中で、椎間板ヘルニアのグレード分類について触れました。

簡単に書くと、

グレード1は痛みだけ、グレード2になると痛みとふらつきも出ます。

このグレード1や2の症状で病院にやってくる子が多いので、腰痛=椎間板ヘルニアというイメージがあるのだと思います。

ただ、これは症状が軽いだけで、逸脱した椎間物質によって神経を障害する病気なので本質的には麻痺が起こります。

グレード3以降は麻痺になり、そしてその麻痺の重症度でグレード3〜5までが分類されています。

なんとか足は動かすことはできるという麻痺レベルがグレード3、自分の意思で動かせなくなるのがグレード4、さらに足が動かせないだけではなく痛みさえも感じなくなるものがグレード5といった具合です。

亡くなることがあるって本当?亡くなることがあるって本当?

麻痺を突然引き起こすだけでも怖い病気と言えるかもしれませんが、この麻痺に関しては、究極の話、例え回復しなくても、足が不自由になるだけで生活はできるという状態に落ち着くことが多いです。

ただ、実は椎間板ヘルニアから死に至ることがあるというのを皆さん、ご存知でしょうか?

実は神経というのは繊細な組織であり、脊髄神経が過度なダメージを受けると連鎖的に神経が壊れていくことがあります。

そして神経が連鎖的に破壊されていき、その連鎖が頚部の脊髄まで至ると呼吸ができなくなった死にいたります。

この病気を脊髄軟化症と言います。

脊髄軟化症?

脊髄軟化症は基本的にグレード5の子で起こることが多い病態で、グレード5の症例の9~25%が発症すると言われています。

軟化症を発症すると、上流、下流の脊髄に連鎖的に壊死が広がっていき1週間程度で死にいたることが多いです。

中には、途中で壊死の連鎖が止まる子もいますが、100%近くの子が亡くなります。

今の所、治療法として可能性があると言われているのは、広範囲の椎体を除去し、減圧する大掛かりな手術で97%で救命が可能だったと報告されています。

ただし、かなり大掛かりな手術になるので、今のところ普及していると言いづらいのが現状です。

最後に

椎間板ヘルニア自体は100%防げる病気ではありませんが、M.ダックスフンドをはじめとして発症しやすい犬種がわかっている病気でもあります。

椎間板ヘルニアの注意犬種で過去に腰痛を起こしたことのある子は、とくに重度の椎間板ヘルニアを起こさないように階段の上り下りやソファの飛び乗り飛び降り、床の素材などを見直していただくことをお勧めしたいです。

このコラムを読んでもらって軟化症のことを知ってもらう機会になったら幸いです。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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