獣医さんのコラム(226)獣医さんが解説する犬と猫に骨粗鬆症はあるの?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する犬と猫に骨粗鬆症はあるの?

  犬・猫でも骨粗鬆症は起きる?

  栄養性

  ・内分泌性・薬

  ・慢性腎不全

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

寒さが厳しい日が続いていますが、冬季五輪が開幕してワクワクする日々がはじまりましたね!

今回はスポーツに因んで、運動→骨ときて、骨関連ということで骨粗鬆症についての話をしたいと思います。

獣医さんが解説する犬と猫に骨粗鬆症はあるの?

犬・猫でも骨粗鬆症は起こる?

人だと、お年をとると骨粗鬆症がよく問題になりますよね。

一方で、身近にいる動物たちも加齢によって骨密度が下がってしまっているのでしょうか?

答えは、YesでもありNoでもあります。

というのは、人の骨粗鬆症は加齢性に起きる原発性骨粗鬆症や閉経後骨粗鬆症が知られていますが、この2つに関しては犬・猫では基本的にはないからです。

ただその代わり、何かの病気などの結果、骨の密度が下がる続発性骨粗鬆症は動物さんでも起こると言われています。

なので、犬や猫は人間のような骨粗鬆症にはならない、でも起こらないわけではないという感じでしょうか。

ではどういうときに、起こるでしょうか?

栄養性

まず1つ目は、栄養性です。

栄養が不足すると、血中のカルシウム濃度を維持しようと身体が過剰に上皮小体ホルモンを分泌し、骨からカルシウムの動員し、骨の密度が下がります。(栄養性二次性上皮小体亢進症)

そしてその結果、病的な骨折をすることがあります。

俗にいう『くる病』と言われているものにあたります。

内分泌性・薬

他にも、わんちゃんの高齢期に多いクッシング症候群でも骨密度が下がることがわかっています。

実際に病院では、クッシング症候群のわんちゃんが骨折しやすいという印象はないのですが、不自然な病的骨折を起こしたわんちゃんがクッシング症候群を基礎疾患として持っていることがあるという印象はあります。

クッシング症候群は身体の中でつくられるステロイドホルモンが過剰になる病気なので、同じ原理で薬としてステロイドを服用することによる投薬期間中の骨密度の低下が報告されています。

ただし、投薬をやめると改善していくこともわかっているので、臨床的に問題になることは少ないかもしれませんが骨に影響するのは確かなようです。

慢性腎不全

他にも、中〜高齢のねこちゃんで多い慢性腎不全も、骨密度が低下することが知られています。

これは腎性骨異栄養症と呼ばれているもので、腎臓機能の低下によってリンの排出が低下すると血中のリン濃度が上がります。

その結果、血中のカルシウムは逆に低下します。

そしてさらに、腎機能が低下することで腎臓で活性化されるはずの活性化型ビタミンDも減少します。

身体は、その異常を元の状態に戻すために副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌を増やし、そのホルモンの作用で骨からカルシウムが動員されます。

なので、腎不全を慢性的に患っていると段々と骨が脆くなってくるので注意が必要です。

最後に

ちなみに、人間も入院期間が長いと足腰が弱るように、動物さんもずっとケージの中に閉じ込められていると骨が弱るということが起こります。

骨粗鬆症のなり方は違いますが、骨が弱る原理は一緒なのでそれも踏まえて骨折しないように気をつけてあげてくださいね。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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