獣医さんのコラム(251)獣医さんが解説する熊対策にわんちゃんは活躍する?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する熊対策にわんちゃんは活躍する?

  昨今の熊被害について

  ベアドッグという犬がいる

  一般の家庭犬は?

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

東北で熊に地震と心配事が続いています。

熊に関しては、昨年の秋のような出現の話を3~4月にあまり聞かなかったので少し安心していたところに仙台でのニュースが入ってきてヒヤッとしたものです。

本日はそんな熊と犬というテーマでコラムをおおくりしようと思います。

獣医さんが解説する熊対策にわんちゃんは活躍する?

昨今の熊被害について

昨年から各地で熊が市街地に出てきているというニュースをよく見るようになりました。

冬眠の前の時期に特に多かったですが、一昨日には仙台の市内中心部に熊が出現し大騒ぎになりました。

この現象は、単純に山に食料が足りなくなかったから街に降りてきたという単純な問題ではなく、熊が街中に食料がたくさんあり、さらに簡単に食料を手に入れることができるということを学習していることが問題です。

そもそも、野生の熊は警戒心が強く基本的には人間は怖いもの、避けるものと認識しています。

一方で、人間の居住地域で食料を得るという知恵を覚えた熊にとっては人は忌避すべきものではなくなり、山と町の棲み分けができなくなるという事態を引き起こす可能性があります。

そんな最近の事情を踏まえて、お家でわんちゃんを飼っていることが熊対策になる?という考えも出てくると思います。

今日はそんな熊と犬の話としてベアドッグや家庭犬の役割を考えてみたいと思います。

ベアドッグという犬がいる

まずはじめに、結論を言うと犬は訓練次第では非常に有効な熊対策になる可能性があります。

というのは、実際にベアドッグという熊対策のプロフェッショナル犬が実用化されているからです。

ちなみに、カレリアン・ベアドッグという古くから熊を狩る狩猟犬として活躍していた犬種も存在していて、今でもこの熊対策で活躍していたりします。

熊の市街地への流入の1番の問題点は、その熊たちが学習をしてしまっているということです。

これが、麻酔銃で眠らせて山に返すことができない最大の理由の一つでもあります。

既に、学習した熊たちにとって人間の住む街は簡単に食料が手に入る餌場であり、必ずまた人の領域に足を踏み入れてしまうのです。

そのため、市街地に入り込んだ熊などを駆除するために2025年9月から街中でも緊急銃猟ができるように制度が改正され施行されました。

でも、街中で銃を使うというのはやはり危険が伴います。

ベアドッグは、そもそも街中で熊が発見されるよりさらに手前の、熊が山から降りて来ようとするのを犬によって追い払い、熊に人の領域に入るのが危険だと再学習させるのに有効な熊対策であり、ひいては緊急銃猟が行われる事態を防ぐことができる可能性があります。

現在、運用されているのは北米が中心ですが、日本でも猟犬が熊の追い払いに活躍しているという例はあるようです。

トレーナーの問題や、日本の山と町の距離関係の問題など、実用化に向けたハードルはいくつもあるものの、このまま熊被害が続くようであれば近い将来、本格的に導入が検討されることもあるかもしれません。


一般の家庭犬は?

家に犬がいたら違う?と思う方も多いと思います。

ご察しの通り、一般の家庭犬に関しても熊対策で活躍する可能性があります。

熊は基本的に朝や夜など人の活動が落ち着いた頃に街中に入ってきます。

外に出たらゴミを漁っている熊に遭遇してしまったというようなケースはわんちゃんがいることである程度回避することができるかもしれません。

犬は外の気配をかなり敏感に察知できる動物だからです。

もし家の周りに熊がいたら、何かしらのアクションを起こす可能性が高いです。

外に向かっていきなり唸りだしたり、異常に吠えているという行動を目にしたら、安易に外に出ずに警戒してもらうといいと思います。

また、犬の吠えるという行為は熊を追い払う効果があるので、吠えてくれることも十分に有効なお守りになる可能性もあります。

最後に

流石に、小型犬が熊と戦うということは難しいですが、追い払うのには活躍してくれるかもしれませんね。

今日も岩手県で熊被害があったようです。

早く落ち着いてくれることを祈っています。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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