獣医さんのコラム(273)獣医さんが解説するお腹を下しがちな子は注意!こんな病気のことも?~犬編~

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説するお腹を下しがちな子は注意!こんな病気のことも?~犬編~

  しょっちゅうお腹を壊していませんか?

  炎症性腸症

  食物有害反応

  非定型型アジソン病

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

本日はお腹の話をしたいと思います。

病院でお話ししていると、お腹をよく壊すんですと言われることは結構あります。

そこで今日は、お腹をしょっちゅう壊す子たちの中に隠れている病気の話をしたいと思います。

獣医さんが解説するお腹を下しがちな子は注意!こんな病気のことも?~犬編~

しょっちゅうお腹を壊していませんか?

人の中にはお腹が弱い人もいますよね?

私も、しょっちゅうお腹を下すのでそんなものと思っているところがあります。

一方でわんちゃんに関していうと、人と同じようにお腹が弱い子はいます。

ただ、わんちゃんの場合は食べているものも比較的同じ、毎日お仕事に行ったりということもありません。

つまり人と比べると体のゆらぎが少ないとも言えます。

ということも踏まえると、しょっちゅうお腹を壊す子の中に何かの病気を患っている子は意外と多かったりします。

今回はそんな、隠れた病気についてを紹介したいと思います。

炎症性腸症

犬の慢性腸疾患の中で一番有名なのがこの炎症性腸症です。

略称でIBDと呼ばれている病気で、ひょっとしたらIBDという名前の方がよく知られているかもしれません。

消化管粘膜に炎症細胞が浸潤し、3週間以上続く軟便や下痢、体重減少などを引き起こす病気です。

3週間以上、お腹を下している慢性下痢の中で最も多い原因の1つで、ずっとお腹が緩い子はこの病気が必ず鑑別診断の1つに入ってくる病気でもあります。

治療にはステロイドや免疫抑制剤を治療し、お腹に起こる炎症をコントロールしていくというのが一般的な治療です。

食物有害反応

わんちゃんはアレルギー性皮膚炎が多い動物種です。

このアレルギーというのは皮膚に起こりやすいものではあるのですが、実は腸にもアレルギー反応を起こします。

アレルギーの度合いはその子によって違うので、お腹が慢性的に緩い子から排便回数が普通の子より多くて、緩くなりやすい子も食物アレルギーが原因で起こしている子もいます。

あとは、アレルギーというわけではないけど合わない食べ物というものが誰しもあったりすると思います。

それはわんちゃんでも同じで、食物不耐性でお腹を壊してしまう食材もあって、それを知らず知らずのうちに摂取して、お腹を壊してしまうということがあります。

ちなみに、一番代表的なものは、乳糖不耐症(乳製品を食べるとお腹が緩くなる)ですが、その子の体質で色々な食材で起こす可能性があります。

非定型型アジソン病

トリミングやお出かけ、お家に誰か来たりするとお腹を壊すということはないでしょうか?

実はこの症状、ただの緊張やストレスで起こっている場合もあるのですが、中にはストレスに対抗して体を守る働きのあるステロイドホルモンがうまく分泌されないことで病的に起こっている子がいたりします。

この体に必要なステロイドホルモンが出ない病気は『非定型型アジソン病』と呼ばれていて、副腎というホルモンを作る臓器の一部が働かないことで起こる病気です。

普段は元気で特に問題ないのに、ストレスがかかると必ずお腹を壊すという症状がある場合は、実はこの病気のことがあるので、心当たりのある方はぜひ一度チェックを受けてみてくださいね。

最後に

お腹は、動物病院で一番多い症状です。

いつもは丈夫な子がお腹を壊すとわかりやすいのですが、壊しがちだとこんなものなのかな?と思ってしまうこともあるかもしれません。

本人が元気でも、ぜひ一度相談してみてくださいね。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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