獣医さんのコラム(315)獣医さんが解説するお散歩の注意点〜注意すべき行動とお散歩を控えてほしい時の話〜

もくじ

1. ごあいさつ

2.お散歩の注意点〜注意すべき行動とお散歩を控えてほしい時の話〜

  獣医さんがお散歩の話をすると?

  お散歩中の行動の注意点

  お散歩を控えるべき時の話

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

今日はお散歩の話をしたいと思います。

毎日の習慣だとなんとなく見過ごしてしまうこともあるかもしれませんが、お散歩は何事に対してもきっかけになるイベントの一つです。

そんなお散歩の獣医さん的な注意点を今日はまとめてみたいと思います。

お散歩の注意点〜注意すべき行動とお散歩を控えてほしい時の話〜

獣医さんがお散歩の話をすると?

毎日のことなので見過ごされがちなこともありますが、わんちゃんにとってお散歩は、外の世界へのアクセスポイントでもあり、病気の起点にもなる重要なものです。

動物病院では、何かの病気を見つけたときにきっかけをお聞きするのですが、その中でもお散歩での出来事が原因となっていることもよくあります。

今回は、病気のきっかけになるお散歩中の行動の話と、獣医さんがお散歩している子たちを見るときに気になってしまうポイントをまとめてみました。

お散歩中の行動の注意点

お散歩中に多いのは誤食や草花の誤食、寄生虫の感染です。

誤食で多いのが、お散歩中などに人が道に捨てた骨付きの鶏肉の残りを丸呑みしてしまったなど残飯関係を食べてしまったという話です。

特に夜のお散歩は道が暗く落ちていることに気づかず、何かもぐもぐしていることに気づいて取り上げようとしたら飲み込んでしまったというパターンも多いです。

草を食べてしまうという子も非常に多いです。

大丈夫なものもあるのですが、中には毒性がある草花も多いです。(お散歩中に食べちゃう?雑草の毒性①(https://talkvets.jp/獣医さんのコラム(96)獣医さんが解説するお散歩/)、お散歩中に食べちゃう?雑草の毒性②(https://talkvets.jp/獣医さんのコラム(97)獣医さんが解説するお散歩/)をチェック!)

そのためか草花が胃腸炎の原因となっているというケースも多いように感じます。

お散歩をはじめたばかりのころは、草を食べないようにトレーニングをしてもらった方が良いですし、どうしても食べてしまうという場合はお散歩コースを見直してみるというのも一つの方法かもしれません。

他にも、草花だけではなく電柱を舐めてしまったり、他の犬や猫の糞便で汚染されたものを口にしてしまうというパターンもあります。

その結果、お腹の寄生虫に感染してしまうということもあります。

病院でもときどき、お散歩中以外に感染機会がない子で寄生虫が出てきたりすることがあるので、地域にもよるかもしれませんが十分に注意してしまった方が良いです。

もし、どうしても色々なものを舐めてしまったり口にしてしまう癖が抜けないという場合は、フィラリアやノミダニの予防薬の中でお腹の寄生虫も駆虫してくれる薬もあるので感染が継続しないように対処することも検討してもらえたらと思います。


お散歩を控えるべき時の話

もう少し踏み込んでお散歩関係の話をすると、お散歩中のわんちゃんを見ていると歩き方がおかしい子が意外とよくいたりします。

病院でお話を聞いていても、足や腰が痛くてもお散歩の話をされていることも多かったりします。

毎日の習慣なのでついつい、どんな時も散歩をしないとと思われるかもしれませんが、何かがおかしいときはお散歩はお休みして安静にしてもらえたらと思います。

わんちゃんは痛くても嬉しくてお散歩に行ってしまうので人がコントロールした方が良いです。

イメージは人が腰や足が痛い時はベッドで横になっているのと同じというイメージでしょうか。

あとは、よくみるとたまに後ろ足ケンケンしていたり、歩いているときに頭が上下に揺れている子はそれぞれ膝だったり、前足に整形的な問題があることが多いです。

徐々に出てきた慢性的な問題だとしっかり足を挙上させるまで、なかなか気づかないということも多いので、歩き方はひとつ注目してみておいてもらえたらと思います。

他にも、咳などがある場合もお散歩を控えてもらった方がいいことが多いです。

ケンネルコフという犬風邪での咳の場合は、他のわんちゃんに移してしまいますし、心臓や気管の場合は運動によって悪化することが多いです。

慢性的なものであれば、お散歩に行っても大丈夫ですが、急に出てきた咳がある場合はお散歩は控え、獣医さんに相談してもらえたらと思います。

最後に、術後もお散歩は控えてほしいです。

ほとんどの手術で皮膚を縫合していることが多いので、皮膚が癒合するまではテンションがかかるような運動は控えてほしいからです。

基本的には、多少動いても大丈夫なように縫合してはいるのですが、思わぬ力がかからぬように運動は控えましょう。

最後に

お散歩を控えるタイミングってなかなか掴めないですよね。

基本的に運動が病気の悪化に関連している場合と感染性疾患を治療中の場合はお散歩はしないでほしいというのは共通かなと思います。

あとは、お散歩中に一度ついてしまった困った習慣はなかなか直すのが難しいかもしれませんが、お散歩コースや時間の変更やおやつを使ったトレーニングなどでなるべく防いでもらえたらと思います。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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