獣医さんのコラム(339)獣医さんが解説する犬・猫は歯がなくても食べられる?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する犬・猫は歯がなくても食べられる?

  ・歯がないと食べれない?

  ・犬の場合

  ・猫の場合

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

本日は豆知識シリーズをおおくりしたいと思います。

テーマは『歯がなくても食べられるのか?』です。

実はこの話題、抜歯処置をするときによく心配されます。

今日はそんな話をしたいと思います。

獣医さんが解説する犬・猫は歯がなくても食べられる?

歯がないと食べられない?

冒頭でもふれた通り、人の認識だと【歯=ないと食事ができない】というイメージがあります。

おそらくこれは、高齢者の8020運動のように、80歳で自分の歯が20本は残っているのを目標にしようという目標も関係があるのかと推測しています。

確かに、人間は自分の歯が抜けてしまうと硬い食べ物を避けてしまい、筋力や体力が低下してしまい虚弱に陥ってしまう、つまりQOLが下がってしまうというのが共通認識です。

また、噛むことが認知症予防にも関連しているという話もあります。

つまり、歯は食事を取るにも健康を維持するのにも絶対必要なものという認識があります。

では、わんちゃんやねこちゃんの場合はどうなのでしょうか?

犬の場合

わんちゃんの場合、歯がなくなるシュチエーションがどういったときに起こるかというと、歯周病が進行し、治療によって歯を抜くというケースです。

ときには、犬歯を残してほとんど全ての歯を抜かないといけないということもあります。

そういった処置をしたときに、「食べれるんですか?」と心配されることが多いですが、わんちゃんは元々、ドライフードを丸呑みに近い形で食べるので意外と食べるのに支障がないことが多いです。

特にウェットフードにする必要も基本的にありません。

ただし、歯がないと舌が出やすくなるというのはあるかもしれません、


猫の場合

ねこちゃんも抜歯処置で歯を全部抜歯するということがたまにあります。

わんちゃんと違い、歯周病で歯が動揺してというよりは強い歯肉炎の対症療法として、全臼歯抜歯といって犬歯より後との歯を全部抜歯したり、全顎抜歯といって犬歯も含め全ての歯を抜くという治療をすることがあります。

その他にも、わんちゃんより歯根が浅いため歯周病が進むと自然に歯が抜けてほとんど歯がないという子もいます。

ねこちゃんは、わんちゃんよりはドライフードを噛んで味わって食べることが多いのですが、意外と歯がなくてもドライフードをそのまま食べてくれることが多いです。

大体は、口が痛くて食べれないという症状を抱える子で抜歯することが多いので、むしろ、炎症が改善してよく食べるようになったということがほとんどです。

最後に

歯を全部抜くと言われるとインパクトがかなり強いですが、実際問題、グラついてほぼ使えていない歯を残しているよりも、しっかり抜歯して口の中の状態を改善させてあげた方が良いことがほとんどです。

人間は、高齢の方の虚弱なども問題になりますが、データがあるわけではないのですが、経験的に歯を抜いたことでの虚弱は犬・猫さんの場合は考えなくて良いと思います。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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