もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ
こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
さて、今日は赤み痒みシリーズの第2回目として結局原因は何?というところをまとめてみたいと思います。
色々な疾患やパターンがあるので、必ずあてはまるわけではないですが、今回は大きな括りでお話ししてみました。
参考になれば幸いです。
獣医さんが解説する痒くなる原因って?
・皮膚炎がある場合
まず、明らかに皮膚炎、わかりやすく言うとかさぶたや発疹などがあるときは痒みが出ます。
はじめて皮膚炎を起こしていた場合、獣医さんはまずは病原体を疑います。
多いのは、細菌やカビ、ダニなどです。
無事に、原因がわかってお薬を飲んで治ってそれ以後、繰り返さない場合は一過性の皮膚炎と考えられます。
ただし、病原体は見つかっているのに適正なお薬で治らない場合や、お薬をやめるとすぐに再発する場合は、基礎的な原因が別にあって、そのせいで皮膚の免疫に異常が出たことでの病原体の増殖という可能性を疑います。
その基礎疾患として多いのは、アレルギーやホルモンの異常、腫瘍などです。
・皮膚炎がない場合
明らかに皮膚炎はないけど、全体的に赤みがあって痒がっている場合は、大体において皮膚の検査をしても特に何も出てこないことが多いです。
さらに、それがわんちゃんで年齢が若い、もしくは若いときから同じ症状がある場合は、経験上かなり高確率でアレルギー性皮膚炎を持っています。
アレルギーの場合、重症度によって、
①赤みもあまりないけど痒がっている
②赤みがあって痒がっている
③皮膚炎も伴って痒がっている
という形で変化していくことが多いです。
・その他の原因がある場合
あと、その他であげられるとすると、皮膚が原因ではなくて外耳炎が原因だったというケースや
ちょっとめずらしいところで言うと、脊髄空洞症といった神経の病気でも後足で掻くようなしぐさが出る場合があるので、赤みや皮膚炎もない場合はすぐにアレルギーと決めつけないように注意しています。
そういう場合は、少し視野を広げて決めつけすぎず、経過がどうなっていくかを見て、ゆっくりと病気を絞り込んでいくことが多いです。
最後に
痒みと一言で言っても、ケースバイケースで色々なパターンに遭遇するので
決め打ちで「絶対これ!」と思い込むと誤診につながりやすいかなと思います。
もし、治療に行き詰まっている場合は、ぜひTalkvetsでセカンドオピニオンを聞いてみてください。
経過が整理されて、今後が見えてくるかもしれません。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!
執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ