もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ
こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
本日は、赤み痒みシリーズ第3弾、前回のコラムにも書いた皮膚炎のない痒みの原因で最も多いアレルギーについてもう少し深掘りしてみようと思います。
人でもアレルギーを持っている人は多いですが、わんちゃんでも本当にアレルギー持ちさんは多いです。
人とはちょっと症状が違うのでそのあたりも含めてまとめてみました。
獣医さんが解説するアレルギーとは?
アレルギーとは、免疫反応が過剰になり、自分自身を攻撃してしまう状態です。
どこを攻撃するかで、出てくる症状が変わりますが、わんちゃんのアレルギーは主に皮膚の痒みや外耳炎、消化器に症状が出ます。
・アレルギーの赤みと痒みのパターン
前回も書きましたが、
アレルギー症状は1番軽いときは赤みもないのに、よく痒がるようなしぐさをしていることが多いです。
ひどくなると、赤み+痒み、さらにひどくなると二次的な皮膚炎も伴ってきます。
その他に、初めは外耳炎からはじまって、全身に痒みが出るようになったと言うパターンも多いです。
いずれの場合も、比較的若い時に何らかの症状が始まっていることが多く、早い子では1歳前から症状がはっきり出ていることもあります。
ちなみに、人のアレルギーで多い鼻炎はわんちゃんでは少なく、皮膚の痒みが1番多いです。
・どういうアレルギーがある?
皮膚に痒みを起こすアレルギーには主に2つあります。
①1型のアレルギー
IgEが関与している即時型のアレルギーで、急に真っ赤になって掻き出したり、アナフィラキシーと言われるアレルギーはこのアレルギーです。
古くからあるアレルギー検査はこのIgEを測定していて、人のアレルギー検査もこの検査をしています。
コップからあふれるように発症すると例えられるように、発症はやや遅めで3歳くらいまでに症状が出ます。
痒みが出る典型的な部位は、脇、股などの皮膚の薄い部分や耳、手先などです。
②4型アレルギー
リンパ球という免疫細胞が関与している遅延型アレルギーです。
このアレルギーは食物を食べることで起こる食物アレルギーで、比較的早く発症するので、1歳以下で症状が出ているわんちゃんはこちらのアレルギーが多いです。
痒みが出る部位は、顔、背中、肛門や耳や手先です。
わんちゃんのアレルギーはこの2つの組み合わせで症状が出ます。
どちらかだけというよりは、どちらのアレルギーも持っていて、どちらのアレルギーが強いかで治療方針を考えることが多いです。
最後に
アレルギーは、二次感染も絡んで複雑化していたり、
先生の方針で、検査をする先生もいれば、あまりされない先生もいるので、病院によって治療にバラエティがあることが多いです。
治るものではなく、一生お付き合いしていかないといけない病気(体質)なので、どうコントロールをしていくかを、季節や年齢によって変えていく必要があったりと悩みが多いですよね。
悩んだらぜひ相談してくださいね。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!
執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ