
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
みなさん歯ブラシはされていますか?
歯ブラシってなかなか難しくて悩んでいらっしゃる方も多いと思います。
まずは、モチベーションをあげないとなかなか行動に移せないということもあるかなと思うので、今日は、なぜ必要なのかと歯ブラシのトレーニング方法をまとめてみようと思います。
歯ブラシが絶対に必要な理由は?

動物さんでもっと歯ブラシが必要な理由
歯ブラシの目的はプラーク(歯垢)を落とすことです。
プラークが唾液中のミネラル成分と反応して石灰化したものが歯石なのですが、歯石になってしまうと歯ブラシだとなかなか落ちなくなり、スケーリングが必要になります。
なので、歯ブラシの目的をさらにいうと、歯石になる前にプラークを落とすことにもなると思います。
実は、わんちゃん、ねこちゃんでより歯ミガキが必要な理由はこの歯石化にあります。
というのは、この歯石化にかかる期間は、人の場合は2週間〜1ヶ月と言われていますが、わんちゃんだと3~5日、ねこちゃんでは1週間とかなり短いので歯石になりやすいのです。
歯石があると、歯石自体が細菌の巣になっているので歯ブラシを頑張っても歯肉炎がおさまらくなってしまうので、歯周病を予防するためと考えるとより頑張って歯ブラシする必要があるのです。
歯ブラシのトレーニング法
歯ブラシで挫折してしまったという方の中には、はじめから歯ブラシをしようとしてしまった人も一定数いらっしゃるのではないかと思います。
歯ブラシをはじめからするのはとても難しいです。
なので、歯ブラシをするためには、段階をふんでステップアップする必要があります。
Step1
わんちゃん、ねこちゃんはそもそも口を触られるのが苦手なことが多いです。
なので、まずは指で口に触れる⇨前歯に触れる⇨奥歯に触れることをトレーニングしましょう。
トレーニングには、必ずおやつをご褒美にしてくださいね。
Step2
口に触れるようになったら、次に歯磨きシートや指サックをつけた指で、同じように触れるようになりましょう。
触れるところまでいったら、『拭く』という動作を加えてみてください。
注意点は、嫌になる前に切り上げることと焦らず3ヶ月〜半年かける気持ちですすめていくことです。
Step3
いよいよ、最後に歯ブラシを使ってタッチすることからはじめてください。
タッチができたら『みがく』という動作を加えてみましょう。
歯ブラシを噛んでしまうという子の場合はマズルを片手でもつトレーニングもするとよいと思います。
あとは、指サック型の歯ブラシもいいかもしれません。
はじめから歯ブラシを口に入れようとして失敗した経験があるようであれば、ぜひステップを踏んでトレーニングしてみてくださいね。
最後に
昔は歯ブラシって何のこと?という時代もあったので、歯ブラシしなきゃと思ってもらえるだけで、獣医さんとしてはありがたい限りです。
やり方次第で成功率がかわると思うので、焦らず気長にトレーニングしてみてくださいね。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ