獣医さんのコラム(番外編20)獣医さんになりたい!そんな人への話

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんになりたい!そんな人への話

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

本日は、箸休め的番外編をおおくりしたいと思います。

今回は番外編も20回目ということでちょっといつもと違う内容でおおくりしようと思っています。

テレビ番組で獣医さんを目指して!という話を放送していたのを見ていて、ふとこれだけは知った上で目指した方がいいかなと思ったことを書いてみました。

獣医さんを目指している学生さんへの話

みなさん、獣医さんというとどういうイメージがありますか?

自分もかつて獣医さんに憧れて獣医学部に入ったので、その時に感じていた気持ちを思い出してみると、

①動物好きには最適

②やりがいがある

③命を救える職業

④高収入?

といった感じでしょうか?(まだまだあるかもですが)

自分の昔の志望動機などを考えてみると、やりがいのある医療系という希望が漠然とあって、昔からの憧れもありつつ、お医者さんは人間が相手、獣医さんは動物が相手というイメージがあり、動物好きな自分は獣医さんだよねと思っていたように思います。

同じように思っている学生さんもいるかも?しれませんね。

今回は、こんなふうに思って獣医学部に入った学生が実際に獣医さんになったらどう思ったかを書いてみたいと思います。

①動物好きには最適

私は、小さい頃からわんちゃんやねこちゃんと一緒に暮らしていて動物が大好きな子供でした。

初代のわんちゃんは目の前で車に轢かれて、動物病院に駆け込んだという経験もあります。

そんな経験やTV番組で獣医さんに憧れていたこともあって獣医学部を目指したという経緯があります。

一方で人間より動物を診たいから獣医さんという気持ちもあったと思います。

でも、それはちょっと勘違いだったなと今では思います。

というのは、小動物の獣医さんに限ると診療の対象は動物さんだけではないからです。

動物さんは自分の気持ちや症状を話すことはできません。

私たち獣医は動物の体の状態を診断しますが、その診断に従ってどういう治療をしていきたいかは動物さんには決められないのです。

どうしていきたいかを決めるのは、飼い主さんである人間です。

なので、獣医さんという職業は半分以上は飼い主さんとのコミュニケーションをとるお仕事だと思っていいと思います。

最適な医療のみ提示することが正解とは限らないのが難しいところでもあり、やりがいのあるところでもあると思います。

このコミュニケーションという部分でつまづいて離職する若い獣医さんも多いので、ぜひこの部分を理解した上で獣医さんになってもらえたらと思います。

ちなみに、ちょっと苦手だなと思う学生さんは研究職や実験動物関係など小動物臨床以外の道を選ぶこともあります。

②やりがいがある

これは間違いなくやりがいのある職業だと思います。

感謝されるような職業は他にもあると思いますが、何かを一緒に喜べるような職業はなかなかないと思います。

人にもよると思いますが、ずっと診てきたわんちゃんやねこちゃんには感情移入することが多いです。

そういう子が病気になったり、怪我をした時に一生懸命治療をして、治った時に飼い主さんと一緒になって喜べる時は本当に嬉しいものです。

ただその分、何とか治してあげないといけないというプレッシャーは大きいのでストレスフルな職業とも言えると思います。

そのプレッシャーに耐える用意は必要だと思います。

③命を救える職業

人の医療だと、救命救急など医療が細分化されていますが、獣医療だとクリニックに救急の患者さんがくることもよくあります。

自分の力で、命を救い上げられるという経験ができるのはこの職業ならではだと思います。

もちろん救命できない子もたくさんいますが、最後の時間をなるべく良い形で迎えさせてあげることで、家族が揃って見送る機会をつくれたりということも大切なことだと思います。

獣医さんは日常の診察から、突然、救急現場に立ち会うこともあるので焦らず行動できる行動力を鍛える必要がある職業だと思います。

④高収入?

医者という言葉がつくので、獣医さんは一見高収入と思われがちですがこれは間違いかなと思います。

もちろん、比べる対象にもよると思いますが、

ハードな職業なので、給与としては仕事の割には…と思われるのではないかなと思うので、正直収入をあてにしての職業選びには適さないと思います。

ただし、暮らしに必要な職種なので、自分で開業したりという広がりのある職業ではあると思います。

実際に、私の年代の獣医さんは開業している人も多いです。

収入よりやりがいが強い職業かなと思います。

最後に

概して、プレッシャーとやりがいは同時についてくるものだと思います。

自分の判断が、誰かの命を左右するというプレッシャーに勝てなくて辞めていく若い獣医さんも多いので、メンタルはやっぱり大事です。

後は、小さい単位の職場に属することも多いので院長先生や先輩獣医さん、看護師さんとの距離感も大切かなと思います。

新人さんは特に看護師さんとうまくいかないことも多いので気をつけてくださいね。(私も新人のことはいじめ?られました(笑))

色々書きましたが、合う合わないはもちろんありますが、素敵な職業だと思うので憧れている方は諦めずに目指してもらえたらなと思います!

それではまた次回のコラムでお会いしましょう。

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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