獣医さんのコラム(番外編29)獣医学生たちの進路って?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医学生たちの進路って?

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

本日は、箸休め的番外編第29弾をおおくりしたいと思います。

先週は通常コラムをUPしたので、お久しぶりの番外編です。

学生さんは夏休みの季節ですね。

大学生の頃は、前期試験を乗り越えてやっと休みだ!と開放感に浸かりつつ、夏休みもせっせと実習行っていたものです。

以前、研究室選びにからめて将来選びを書きましたが、今回はどんな職種がある?という話をしたいと思います。

獣医学生たちの進路って?

獣医学生で1番多い就職先は小動物のお医者さんです。

私は、このわんちゃん、ねこちゃんのお医者さんになりたくて獣医学部に入ったので、それ以外の道を考えたことはなかったですが他にも色々な道にいった同級生がいます。

小動物の獣医さんと一口に言っても、最近は多様化しているので、

実は鳥専門の獣医さんもいれば、エキゾチックといってウサギやフェレット、ハムスター、モモンガ、ハリネズミなどなどわんちゃんやねこちゃん以外の小動物を専門にしている獣医さんもいます。

ちなみに、両生類や爬虫類を診る獣医さんや魚も診る獣医さんもいて、卒業後にどういう勉強をしたかで専門性がだいぶかわってきます。

わんちゃん、ねこちゃんを主に診ていても、眼を専門にしていたり、心臓を専門にしていたりといった特定の分野に特化している獣医さんもいます。

ちなみに、大動物といって牛や豚などを診る獣医さんは就職のときから家畜診療所やNOSAIといった場所に就職します。

馬を診たい人は、かなり狭き門ですが北海道などにある馬専門の診療所やJRAを目指す人もいます。

あとは、さらに珍しい動物を診る仕事も人気があります。

それが動物園や水族館の獣医師です。

有名どころでいうと、美ら海水族館のイルカの人工尾びれなども所属獣医師の仕事としてTVで取り上げられました。

ただ、憧れている人が多い一方で、公共施設の動物園の場合、別の全く関係ない部署に部署移動になったりと難しい一面もあったり、欠員がなかなか出なかったりと運も関係する職種でもあります。

公衆衛生という分野も獣医さんの仕事です。

公衆衛生とは簡単にいうと家畜の感染症や人にも感染するような人獣共通感染症の管理をする仕事などをします。

この分野は主に公務員になった獣医師が担当しています。

学生時代に公務員試験を受ける人もいますが、小動物の病院などに就職した後に公務員試験を受ける人もいます。

国家公務員を目指す人もいますが、かなり狭き門で国家公務員になったのは学年で1~2人くらいという感じでした。

他にも、研究職というパターンもあります。

獣医学部でいうと民間の施設というよりは、博士課程に進学して大学教員になることが一般的です。

教員に空きがない場合はポスドクといって任期つきの研究員として働いて教員のポストが空くのを待つということもあります。

どちらの場合も、卒業後にさらに4年間の学生生活をして博士という資格をとる必要があるので、大変な上にうまくポジションがもらえないと…といった進路でもあります。

ちなみに獣医学部の博士課程だと大学方面で研究職をする人が多いですが、医学部などの他の学部の博士課程に進学すると製薬会社など民間企業の研究職に就職するというパターンもあります。

実験動物の管理をするのも獣医師の役割です。

この実験動物管理で民間企業の研究所の募集も目にしますが、そもそも実験動物という研究室に所属している人のごく一部が選ぶという感じであまり身近にはいなかったので数は少ない印象です。

あとは、普通に理系就職することも可能ですが、獣医ならではの職種という形ではないので希望する人があまり多くないのと、他の大学のような就職サポートがあまりないので、自分で調べて就職戦争に参加しないといけないということもありかなりレアケースでした。

さて、ここまでお話しして最後にちょっと怖い話をします。

就職活動は大体は6年生の夏〜秋ぐらいには終わっているといったことが多いですが、他の学部の学生に比べるとそこまで激戦という感じではないです。

ただし、6年生の冬に受ける獣医師国家試験に落ちてしまうと、せっかく決めた就職はおじゃんになり、

一転して国家試験浪人という立場に転落してしまうという落とし穴が待っています。。

一応、合格率は80%後半〜90%くらいではあるものの、学年に130人くらいいるので人数にして数えると毎年20人くらいはそんな落とし穴にはまります。。

数にすると結構いますよね汗

動物園やJRAといった狭い門をくぐり抜けて内定をもらっていても白紙に戻るので本当に怖い話です…

最後に

ちなみに、国家試験浪人になると合格率が25%ぐらいに一気に急落するので、何年も獣医師免許をもらえないというパターンに陥る人もいます。

それを思うと6年も通わないといけない上……資格系の大学はちょっと怖い側面ありです汗汗

それではまた次回のコラムでお会いしましょう。

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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