獣医さんのコラム(294)獣医さんが解説する散歩ってどれくらいすればいいの?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する散歩ってどれくらいすればいいの?

  散歩時間って難しい

  理想の散歩時間とは?

  何を目安にしたらいいの?

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

暑い日が続いていますね。

暑い日、寒い日、雨の日など、散歩が難しいときってありますよね?

病院でも散歩はどれくらいしたらいいの?と聞かれることはよくあります。

そこで今日は、目安となる散歩時間の話をしたいと思います。

獣医さんが解説する散歩ってどれくらいすればいいの?

散歩時間って難しい

動物病院でも散歩時間はどれくらいがいいの?という質問はよく受けます。

全然帰りたがらないので、毎日ある程度で引き上げてきていますという方から、逆に外が嫌いで外だと歩いてくれないという方まで色々なケースがあるのですが、今日は一応の目安になるであろう基準やその基準をもとにしたわんちゃんの散歩の話をご紹介したいと思います。

理想の散歩時間とは?

どのくらいの散歩時間が適正かを研究した論文などは出されていないのですが、一つの基準として英国ケンネルクラブが犬の体格別に推奨値を示しています。

それによると、

①超小型犬、愛玩犬、運動量が少なめの犬種

犬種でいうと、チワワ、ペキニーズ、ヨーキー、ビジョン・フリーゼなど

運動時間は1日30分程度まで

②小型犬〜中型犬、運動量が標準的な犬種

犬種でいうと、パグ、キャバリア、フレンチ・ブルドッグ、M.ダックスフンドなど

運動時間は1日1時間程度まで

③中型〜大型犬、適度に活発な犬種

犬種でいうと、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、ボクサーなど

運動時間は1日1〜2時間

④大型・作業犬、牧羊犬、狩猟犬など非常に活発な犬種

犬種でいうと、ボーダーコリー、シェパード、シベリアン・ハスキーなど

運動時間は2時間以上

を推奨しています。

ちなみに、この推奨値はお散歩の時間ではなく、運動の時間です。

そして、単純に体格というよりは犬種的な特徴を反映してカテゴリー分けしているという特徴があります。

ここで示されている時間は運動時間なので、お散歩が行けない時や、お外が嫌いな子はお家の中で遊びの時間を作ってあげるのでも大丈夫です。

もし、お散歩で運動時間を確保したい場合は、1日に1回ではなく2回に分けてお散歩に行くことが推奨されていますので、それぞれ参考にしてみていただけたらと思います。

何を目安にしたらいいの?

ただし、なかなか理想通りの運動時間をつくってあげられないというのも事実ですよね。

研究者の中にも実際はどうなの?ということを疑問に思った人がいるようで、散歩の実態についての研究はいくつか存在します。

それによると、日本に限らず外国でも、散歩時間は犬の体格などより、その犬のキャラクター(犬種)や年齢、健康状態に加え、飼い主さんの年齢や健康状態、近くに公園があるか?などの生活要因によって左右されていることがわかっています。

つまり、目安は示されているものの、実際はその子の置かれた状況によって左右されるものと考え、目安の時間を参考にしながらも、ご自身の状況と相談の上、その子の行動を参考に運動量を考えてあげるので良いと思います。

若くて健康な子で、いつもお散歩から帰りたがらない子であれば、週末に十分な嗅覚活動や探索活動ができるようにドッグランに連れて行ってあげたり、お外が嫌いな子であれば、無理にお散歩をせずお家の中で毎日軽く遊んであげるなど、その子に合わせてアレンジしてあげてください。

そして、毎日の運動などによって、適正体重が維持できているかや適正な筋肉量を維持できているかどうかや、運動不足によって吠えたり、落ち着かないといった問題行動が起きていないか、その子の好奇心を誘う嗅覚行動や探索行動の機会を持てているかどうかをチェックしてあげてもらえたらと思います。

最後に

獣医さん的に、お散歩と関連して一つ身につけておいてほしいものとして、お散歩でしか排便排尿ができないという習慣づけは避けてほしいということかなと思います。

お年をとった時に、身体の状態的にお外に行けないという事態もよくあります。

お外でトイレをする習慣の子は、お家で漏らしてしまった時に本人たちも申し訳なさそうにするということもよく聞きます。

特に中型〜大型犬の子は、ぜひお家の中でもトイレができるような習慣にしておいてもらえるといいと思います。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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