獣医さんのコラム(259)獣医さんが解説する猫の慢性腎不全の希望の星AIM

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する猫の慢性腎不全の希望の星AIM

  AIMとは?

  何が期待されているの?

  いつ発売されるの?つ腫瘍の

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

皆さんは少し前に爆発的に話題になったAIMを覚えていらっしゃるでしょうか?

その後、開発者の宮崎先生がAIM医学研究所を立ち上げたり、AIMというフードやサプリが発売されたりしていました。
そして、とうとう2026年の4/24に、AIM薬が猫の慢性腎不全の治療薬として商品名:FeliAIM(フェリアイム)として製造販売承認申請したことが発表されました。

同時に有効性を示すためのデータも出ており、今日はそのデータも踏まえて、慢性腎不全にどれくらいの効果が期待されているのかといった話をしたいと思います。


獣医さんが解説する猫の慢性腎不全の希望の星AIM

AIMとは?

AIMとは一言でいうと、身体の中のゴミを掃除する役割のタンパクです。

もう少し詳しくいうと、身体の中にはゴミを食べてくれる掃除機の役割をするマクロファージという細胞がいます。

このマクロファージは、掃除をする能力は優れているのですが、どれがゴミかということは他の人におしえてもらわないとわからないという性質を持っています。

AIMは血中のゴミを発見し、そのゴミにひっつくことでこのマクロファージにお掃除の指令を出すという役割があります。

ねこちゃんは、年齢を重ねると腎臓が必ず悪くなるといっても過言でない生き物です。

それにはこのAIMがかかわっており、うまく機能しない結果、お掃除されなかったゴミは、身体のゴミ処理場である腎臓にたまってしまい腎不全が起こると言われています。


何が期待されているの?

今回、発売されるAIM薬はそんなAIMの機能が弱い猫に対して、身体の外からAIMを入れることで、マクロファージを活性化させ、腎臓への負荷を軽減するという薬です。

ちなみに今までサプリなどで出ていたAIM商品のコンセプトは、もともと猫の身体の中にあるAIMが働きを活性化させるというものだったので、AIM自体を入れるという全く違うアプローチをする薬だということがわかると思います。

ここまでの話だと、そんなにステージの進んでいない慢性腎不全の子の予防としての薬なのかなというイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、今回公表されたデータの対象となったのはステージ3bというかなり重症の慢性腎不全の症例で、これをCre(腎臓の数値の一つ)で表すと大体4.0~5.0mg/dlというかなり数値が悪化した子たちにAIMの投与が行われています。

結果として、無投与群の1年後の生存率が約20%だったのに対し、AIM投与群では80~83%という高い数値を示し、さらに1年を超えて長期での生存が確認されています。

また、腎臓は一度悪くなると良くならないというのが今までの通説でしたが、AIMが腎臓の中に溜まっているゴミを掃除することで完全に機能を停止する前の腎臓細胞は再び働き出し、腎数値の低下やその長期的な維持ができることもわかりました。

このAIMという薬は今まで進行性の強い腎不全に対してなす術がなかった現状をかえる薬として、多くのねこちゃんの飼い主さんだけでなく獣医師も大変大きな期待をしています。


いつ発売されるの?

さて、そんな新薬の発売を待つ声を現場でも耳にするこの頃ですが、実際に商品として発売されるのは2027年ごろ(約1年後)ではないかと予測されています。

価格は未定ですが、AIM薬自体は2週間〜1ヶ月程度に1回注射することで効果を示すというデータも公表されており、病院が苦手なねこちゃんでも取り入れやすい薬であるようです。

今現在、腎不全で苦しんでいるねこちゃんや飼い主さんは発売が待ちきれないと思いますが、現況の治療をしっかり行いつつなるべく腎機能を温存し1年後に備えていただければと思います!

最後に

あとは価格が気になるところですが、開発者の宮崎先生のインタビューではなるべく1万円以下を目標としているという話も漏れ聞こえてくるので期待したいところですよね。

この情報が発売を待たれている方のお役に立てれば幸いです!

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

当サービスのご利用にあたって

オンライン相談では、

診断をつけたり、

お薬を処方することは

できません。

動物たちのより良い生活や

より良い医療のための

サービスであることを

ご理解ください。

サービスのご案内 service
獣医師紹介 doctor
サービスのご案内 service
獣医師紹介 doctor