
もくじ
1. ごあいさつ
2.獣医さんが解説する高齢犬で獣医さんが気にしているポイントとは?
・体型
・心雑音
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
前回は、子犬・子猫の話をしたので、今回はお年寄りのわんちゃんの話もしたいと思います。
獣医さんが高齢犬だと特に気にするところを3つ選んでご紹介したいと思います。
お家に高齢犬がいらっしゃる場合は、ご家族もこの3つに注目してもらうと良いと思います。
獣医さんが解説する高齢犬で獣医さんが気にしているポイントとは?

高齢犬を診るときは?
今日紹介する高齢犬で気にするポイントは、決して若いわんちゃんだとOKという項目ではありません。
ただし、特に高齢になると出てきやすいものであったり、はたまた、高齢になったからこそ危険度が上がってくるポイントでもあります。
統計があるというわけではありませんが、3つ選ぶとするとおそらく全国の獣医さんがほぼ同じものを上げてくるのではないかと思いますので、参考にしてもらえたらと思います。
体型
体型と書くと、「やっぱり肥満のこと?」と思うかもしれませんが、実はそれだけではありません。
もちろん、肥満も気にしています。
特に、肥満によって呼吸器に負荷がかかっていないかが高齢犬の場合だととても気になります。
すぐにチアノーゼといって、舌が紫なってしまう子は本当に危ないので処置や検査が制限されてしまう場合もあります。
でもそれと同じくらい、痩せすぎの子もチェックしています。
痩せていること自体が何か疾患を抱えているサインのこともありますし、同じ量を食べていても痩せてきていて、気づかないうちに肋骨がういてきているという場合は気づかないうちに体の中で病気が進行しているということもよくあります。
あとは、ポットベリーといってお腹がポコっと出ている場合も要注意です。
ポットベリーはクッシング症候群の症状の一つであることが多く、慢性的に内因性ステロイド量の分泌が増えたことで腹筋が薄くなり、内臓の重みでお腹が出てきます。
中年齢〜高齢期に発症することが多いので体型から病気を疑うということもよくあります。
口腔内環境
口の中の環境もとても重要です。
もちろん、中年齢の子でも歯石や歯肉炎がひどい場合もよくありますが、高齢の小型犬の子で歯みがきをしていない子たちは中年齢の子たちと比較できないほど口の中の状態がひどいことがあります。
歯石、歯肉炎は下手をすると顎や鼻との境目の骨を溶かしてしまっていることもあるほどです。
口の中の環境が悪いと、それが原因で常に炎症の値が高かったり、肝臓の数値が高いなど血液検査にも影響を与えていることもあります。
ちなみに、麻酔をかけて手術するときに気管に呼吸用のチューブを入れるのですが、口の状態が悪いとその処置のときに歯が抜けてしまわないかも気になるポイントです。
歯が抜けて出血すると口の中の細菌が血中に入ってしまうので、高齢、疾患がある、さらに手術の侵襲で免疫が下がるという状態だと抗生剤を使っていてもやっぱり耐性菌などが入らないかが気になってしまいます。
心雑音
最後に、心臓も重要です。
わんちゃんの場合は、僧帽弁閉鎖不全症という心臓の左側の部屋を分けている弁の閉まりが悪くなり逆流が起きる病気が非常に多いです。
高齢になればなるほど、この弁の病気を持っている可能性が高くなり、病気の特性として必ず雑音が出てくるので聴診が重要です。
中には、年のせいと思っていたことが心臓の症状で、気づかないうちにかなり悪くなっていたというケースもあります。
急に進行すると症状がわかりやすいのですが、慢性疾患だとゆっくり進行するために身体が適応していき、症状がわかりにくいこともあります。
悪化していくと、最終的には肺水腫といった心臓が抱えきれなくなった水分が肺の方に出てきてしまい、病気のせいで溺れたときのような呼吸ができなくて苦しいという状態に陥いります。
最後に
高齢の子だと、麻酔をかけたりする場合はもちろんなのですが、日常の検査や処置も負荷をかけすぎていないかをとても気にしています。
若いわんちゃんであれば耐えられるようなことでも、何かの瞬間に急変するということも実際起こるので、今日取り上げた3つは、特に重要なんです。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ