
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
昔に比べて、わんちゃんもねこちゃんも本当に長生きになりましたよね。
それに伴って、シニアの衰えを相談されることが増えてきました。
そんな衰えの中で今回は感覚にスポットライトを当てて解説したいと思います。
獣医さんが解説するシニアの感覚の衰えって?

シニアの感覚の衰えって?
シニアになってくると段々感覚が衰えてくるというのは、人間も犬も猫も一緒です。
最近では17~18歳を超えるわんちゃんやねこちゃんも増えていて、特に、わんちゃんではこの年になってくると目や耳、鼻も不自由になってくる子がかなり多いです。
(ねこちゃんの場合はわんちゃんより少し老化が遅めで感覚の低下はあるものの、わんちゃんより目立ちにくいことも多いです。)
ちなみに、必ずしもそうなるわけではないですが、感覚の低下が起きやすい順番としては、
視覚⇨聴覚⇨嗅覚というふうに言われています。
視覚の衰え
犬や猫には、人間のように『老眼』という概念は今の所あまり語られることはありません。
老眼は水晶体という目の中のレンズによるピント調整機能が落ちてくることで起こるのですが、犬・猫の場合はそれを評価するのが難しいので、ないというわけではなくはっきりと問題にはなっていないというのが実際のところかもしれません。
もちろん、年齢をかさねて白内障や緑内障などで視覚の低下を起こすということも多いですが、それ以外にも網膜という光を信号に変換して脳に伝える大切な部分で網膜細胞や血管が衰え、情報を受け取る能力が低下していきます。
その結果、高齢になればなるほど、目があまり見えていない、かなり見えにくいという子が増えていきます。
聴覚の衰え
視覚の次に衰えやすいのが、聴覚です。
音は、鼓膜⇨中耳⇨内耳⇨聴神経⇨脳というように伝わっていきますが、加齢によって音の振動を信号に換えて脳に伝える役割を持った感覚細胞の数が減っていくことがわかっています。
そのため、若い頃のように音が聞こえない(小さく聞こえる)ということが起こります。
さらに、人間でも若い子にしか聞こえないモスキート音という音があると思いますが、犬や猫も一緒で、高周波の音が加齢によって段々と聞こえなくなります。
お年寄りの子で、名前を呼んでも反応しなくなったという場合でも、低い音や大きな音には反応するということもよくあります。
嗅覚の衰え
そして、最後まで残りやすい感覚が嗅覚です。
嗅覚も他の感覚器と同様に、嗅覚受容体で臭いの情報を信号化し嗅神経を通して脳に情報を伝えており、この感覚細胞が減っていくことで匂いを感じる能力が低下していきます。
また、匂いを識別する能力も低下するため、若い頃であれば細かく認識できていた臭いも大まかにしか判別できなくなってきます。
シニアでよくある食べムラはこの嗅覚の低下によって食欲を刺激されなくなってくるというのも原因の一つになっています。
最後に
シニアのわんちゃんは足腰も弱くなりますが、感覚も低下していきます。
食べムラが出てきたりと大変なことも多いですが、そんな老化も受け入れて、その子に合わせたケアをしてあげてもらえたらと思います。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ