獣医さんのコラム(262)獣医さんが解説する災害時の避難ガイドラインの改正について

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する災害時の避難ガイドラインの改正について

  災害時避難の原則

  なぜルール改正が検討されているの?

  今後どうなる?

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

昨年の冬ごろから、地震のニュースを聞く機会が増えているように思います。

そんな中で、災害時のペットの避難に関するルールが変更されるというニュースが入ってきたので、今日はその話を取り上げてみたいと思います。


獣医さんが解説する災害時の避難ガイドラインの改正について

災害時避難の原則

大きな地震が起こるたびに、災害現場でのペットたちのこともニュースになる機会が増えてきてご存知の方も多いかと思いますが、災害時における避難の基本は『同行避難』です。

このルールは、2011年の東日本大震災でのペットの避難の問題を受けて、2013年に作成された「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」で示されました。

その後、2016年の熊本地震でのペットの避難の問題点を受け、2018年に「人とペットの災害対策ガイドライン」に改訂され、現在はこのガイドラインをもとに避難が進められています。


なぜルール改正が検討されているの?

「人とペットの災害対策ガイドライン」に書かれているガイドラインは、

1. 飼い主責任が基本(基本的には自助)

2. 同行避難を推奨

3. 避難所での住み分け

4. 自治体主導+広域支援

となっています。

これを見ていると、災害時にも組織的に支援を受けられそうな印象を受けるのですが、2024年の能登地震では避難所ごとのペット受け入れの格差の問題(運営が統一されておらず避難所ごとに差がある)があり、その結果、ペットと長期にわたって車中避難をすることになった方や、同行してもペットの避難場所の整備に手が回らず寒さ対策がされていなかったり、猫などを隠して避難所での生活を送っている方が問題になったりと、ルールはあっても実際の運営に手が回っていないという状況もありました。

そこで、今年更なる改訂が検討されることになったようです。

今後どうなる?

今回のものは大きなルール改正というわけではなく、今まで示されていた同行避難や避難所での住み分けなどの実際の運用を考えて、自治体の動物担当部局や防災担当部局の役割を明確化し、実際に運用するときに避難所間の格差をなくしていくことを推進する動きのようです。

このガイドラインの改正は原則が大きくかわるというより、同行避難がしやすくなるための変更と思って良いと思います。

逆にいうと、元々の原則通り、避難時のペットの食料や薬、トイレなどの用意や避難所内のケージでの避難になるので日頃からのクレートトレーニングなども飼い主さんにかかってくるということでもあります。

ぜひこの機会に最近の地震の発生を鑑みて、今一度、避難袋の準備や中身の更新などをしていたけたらと思います。

最後に

ガイドラインを出しているのは国(環境省)、実際に運用するのは自治体というところがあるので、なかなか理想通りにいかないというのは続いていくと思います。

ご家庭で災害時に備えるのが何より大切なので、災害が起こったら?ということを考える機会になればと思います!

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

当サービスのご利用にあたって

オンライン相談では、

診断をつけたり、

お薬を処方することは

できません。

動物たちのより良い生活や

より良い医療のための

サービスであることを

ご理解ください。

サービスのご案内 service
獣医師紹介 doctor
サービスのご案内 service
獣医師紹介 doctor