
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
昨日は脱水の話をしましたが、今日はそれにも関連して『うんち』の話を取り上げたいと思います。
わんちゃん、ねこちゃんは食べているものが毎日同じなので、人間より便の状態が整いやすい食生活と言えると思います。
そういう意味で、身体の状態を反映しやすい部分でもあります。
お家のわんちゃん、ねこちゃんのうんちを改めて考えてみる機会になれば幸いです。
獣医さんが解説する良いうんちってどんなうんち?

便はどうやって作られる?
わんちゃん、ねこちゃんも人間と同じように食べ物を口で咀嚼し胃のなかに溜めます。
ただし、わんちゃんは特に、人と違って歯で食べ物を小さく噛みちぎらないで丸飲みすることも多いので、胃の働きが重要で胃で食べ物をドロドロになるまで小さくし、胃酸やペプシンによってタンパク質の消化もはじめます。
次に、ドロドロになった食渣は、小腸に運ばれ、胆汁や膵液、小腸の消化酵素によって糖類、タンパク質、脂肪を分解し、吸収が行われます。
そして、最後に大腸で水分や電解質を吸収し、便となっていくことになります。
大腸では水分の吸収だけではなく、食物繊維を利用した発酵も行われており、発酵で得られた短鎖脂肪酸が大腸粘膜のエネルギー源となったり腸内環境に影響しています。
ちなみに、便は胆汁の中のビリルビンが腸内細菌によって代謝されることで、黄褐色〜茶褐色の独特な色が形成されています。
適正な便の水分量とは?
では、適正な便とはどんなうんちかというと、表面が滑らかでいわゆるバナナうんちと言われる状態が正常で、便をとったときに地面にべったり跡が残らない程度の硬さが良い便です。
一方でしっかり固まっているきれいな便も、実は大体70~75%は水分が含まれています。
意外と多いですよね?
これが5%~10%程度水分量が上下すると、途端に硬すぎる便や柔らかすぎる便になるわけです。
便が正常ではなくなる時とは?
最終的に便の硬さが決まるのが大腸なので、一番便の状態が反映しやすいのが大腸と言えるかもしれません。
もちろん小腸性の下痢ということもあるのですが、わんちゃんやねこちゃんの下痢や軟便のほとんどが大腸性の下痢のことが多いです。
このことからもお腹の状態を反映しやすいのはやっぱり大腸が多いのです。
便が硬い子は、可溶性繊維の不足、食物や貯留時間の延長、身体の水分不足による吸収過剰などが考えられます。
一方で、柔らかすぎる子で大腸の過蠕動など腸の動きが整っていなかったり、水分吸収が十分に行われていないことに原因があると考えることもできます。
原因は多岐にわたることが多いですが、食事中に含まれる繊維の量や種類、腸内発酵が十分に行えているか、細菌のバランスが整っているかなどをまずは考えていくことは多いです。
その諸々をカバーするようにつくられているのが消化器用の療法食なので、お腹のバランスを整えるためにうんちが常に柔らかすぎる子には療法食といった食事の変更をよく勧めるということになるわけです。
最後に
ちょっと緩い、ちょっと硬いというのは水分量でいうと微妙な差なので、こんなものなのかな?と異常に気付かないということも意外と多いかもしれません。
たまにということなら体調によっての波と考えられますが、ずっと続いているようであれば、ぜひ獣医さんに相談してみてくださいね。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ