獣医さんのコラム(331)獣医さんが解説する犬・猫の車酔いとその対策

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する犬・猫の車酔いとその対策

  ・犬・猫も車酔いをする?

  ・車酔いの原理

  ・対策は?

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

動物病院を受診するために、車移動をされる方が多いと思います。

そんな中で、車酔いをする子だと病院に行くにもハードルが高かったりしますよね。

今日は、そんな犬・猫の車酔いの話をしたいと思います。

獣医さんが解説する犬・猫の車酔いとその対策

犬・猫も車酔いをする?

人でも車酔いする人としない人がいるように、わんちゃんやねこちゃんも車酔いしやすい子と比較的強い子がいます。

人間の場合は、車酔いの原因として感覚情報の不一致説というのが有力です。

これは、本やスマホなど何かを車の中で見ていると、見ているものは静止していますが、体の感覚として前庭部では車の加速や旋回などを感知しており、体性感覚も座席から振動や圧力の変化を感じています。

脳の感覚では動いているのに対して、視覚の情報は静止しているという不一致がが車酔いを起こさせているという理論です。

犬・猫の場合は人間と違って車の中で何か一点を見るということはないものの、振動などが前庭系を刺激することで同じように車酔いを起こしているのではと考えられています。

車酔いのその他の要素

ただ、この理屈で言うと、人間より車酔いをしなさそうな感じがしますが、実際には車に弱い子は比較的多いです。

その原因の一つとして、不安や恐怖による増悪ということも考えらています。

つまり、車への恐怖や車に乗って連れて行かれる病院での嫌な経験による学習、移動自体へのストレスなどから、流涎や嘔吐などの具合の悪さを生んでいるのではということです。

人間でも、車酔いするんじゃないかと不安になると余計に気持ち悪くなるという経験をしたことがある人も多いと思います。


対策は?

逆にいうと、不安やストレスが増悪要素として強いので、対策も講じやすいと言えるかもしれません。

まずは、車に乗るという経験に慣れさせることから始め、慣れてきたら短距離から慣れさせると車酔いの症状を軽減できることが多いにあります。

人間も慣れて耐えられるようになるということがあると思いますが、それはわんちゃんやねこちゃんも一緒なのです。

また、急ブレーキなどを避け安全運転することや、ケージが動かないように固定したり、移動前は食事を控えるといった工夫も効果的です。

それでも、車酔いをするという子は、病院で薬を処方することも可能です。

昔は、わんちゃんの場合は第1世代の抗ヒスタミン薬などが嘔吐中枢に効くことが知られており、よく処方されていました。

一方でねこちゃんは嘔吐中枢へのヒスタミンH1受容体の関与が乏しいため良い薬がなかったのですが、ここ10〜20年に発売されたセレニア(マロピタント)という制吐剤が嘔吐中枢に作用するため、現在ではわんちゃんもねこちゃんもこの薬を酔い止めとして処方することが多いです。

最後に

お薬を飲むとだいぶ楽になるので、車酔いをする子は常備薬としておいておいてもらうと良いかもしれません。

軽い症状の子の場合は、慣れて大丈夫になる子も多いのでぜひトレーニングしてみてもらうと良いと思います。

車酔いする子もしない子も、移動するのは思ったより負担がかかることも多いので、動物さん連れの場合はマメに休憩をとってくださいね!

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

当サービスのご利用にあたって

オンライン相談では、

診断をつけたり、

お薬を処方することは

できません。

動物たちのより良い生活や

より良い医療のための

サービスであることを

ご理解ください。

サービスのご案内 service
獣医師紹介 doctor
サービスのご案内 service
獣医師紹介 doctor