獣医さんのコラム(296)獣医さんが解説する薬のちょっと怖い副作用の話

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する薬のちょっと怖い副作用の話

  ステロイドに気をつけて

  痛み止めも注意

  抗生剤も副作用があります

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

薬を飲んでいると安心するというのは意外とあるあるかもしれません。

でも、薬として承認されているということは、副作用もあるということの裏返しでもあったりします。

今日はそんな知っておいてほしい薬の副作用についてをご紹介します。

獣医さんが解説する薬のちょっと怖い副作用の話

ステロイドに気をつけて

ステロイドの副作用に怖いイメージを持っていらっしゃる方は多いですよね。

実際には、ステロイドは強い抗炎症作用や抗アレルギー作用があり、赤ちゃんにも使えるとても有能な薬です。

ただ、一方で副作用が怖いというのも事実で、長期で高用量を使用することで、毛が生えてこなくなったり、筋肉が萎縮してきたり、免疫が抑制されて感染しやすくなったりといった副作用が出てきます。

さらに言うと、特に猫では糖尿病発症のきっかけになったり、ステロイド肝障害により肝腫大を起こすこともあります。

あとは、使い続けることで、本来ステロイドホルモンをつくっている副腎の機能が低下し、医原性に副腎機能低下症(アジソン病)を発症することもあります。

なくてはならない薬だけど、薬は使いようと言うのがピッタリな薬の代表格です。

痛み止めも注意

お腹が痛い、背中が痛い、、そんなときに人であればバファリンを飲みますよね。

人にとって痛み止めは手軽なイメージがある薬です。

ただ、この痛み止めにも注意が必要なことがあります。

実は、痛み止め(NSAIDs)には痛みを抑える過程で、腎血流量の維持を司るプロスタグランジンも抑制します。

そのため、乱用すると腎障害を起こしたり、腎機能が下がっているような犬・猫に投与すると急性腎不全を発症する可能性があります。

さらにいうと、ステロイドと痛み止め(NSAIDs)を併用すると、胃粘膜の維持のための物質をダブルでブロックしてしまい、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの危険な消化器障害起こす可能性があり併用禁忌とされています。

抗生剤も副作用があります

抗生剤は耐性菌のことはよく話題になるものの、それ以外の副作用が軽視されがちな薬かもしれません。

適正に使わないと耐性菌を生み出すというのもそうなのですが、それ以外にも例えばビブラマイシンという眼科でよく用いられる抗生剤は猫に水なしで錠剤を飲ませると、十二指腸の中に残ってしまい、炎症を起こすことが知られています。

ひどいものだと十二指腸同士が癒着してしまい十二指腸狭窄を起こします。

比較的、よく用いられる抗生剤ですが、しっかり水やごはんで胃のなかに落とさないと危険な薬でもあります。

その他にも、下痢などで用いられるサルファ剤は、涙の量を減少させドライアイ(KCS)を発症することでもよく知られています。

他にも、かなり頻繁に用いられることの多いエンフロキサシン(商品名:バイトリル)という抗生剤などはねこちゃんにとって網膜変性を起こし失明する可能性のある薬です。

実は、抗生剤って意外と怖いんです。

最後に

もちろん、比較的安全な薬があることも事実なのですが、今日あげた種類の薬は慎重投与が必要な薬だと思ってください。

最近では、並行輸入で普通の人でも薬が買えたりすることもあるのですが、獣医さんに相談なく使うのはやっぱり危ないと知っておいていただければ幸いです。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

当サービスのご利用にあたって

オンライン相談では、

診断をつけたり、

お薬を処方することは

できません。

動物たちのより良い生活や

より良い医療のための

サービスであることを

ご理解ください。

サービスのご案内 service
獣医師紹介 doctor
サービスのご案内 service
獣医師紹介 doctor