獣医さんのコラム(264)獣医さんが解説する動物とマンネリ~退屈は動物にも大敵です~

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する動物とマンネリ~退屈は動物にも大敵です~

  動物にとってのマンネリ

  刺激がないとどうなるの?

  対策は?

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

みなさん、「退屈は人を殺す」という言葉は聞いたことがないでしょうか?

一説によると、かの有名な画家パブロ・ピカソが残した言葉らしいのですが、これは真理をついているなと自分を省みて思います。

そして、これは動物さんにも当てはまります。

今日はそんな「動物とマンネリ」の話をしたいと思います。


獣医さんが解説する動物とマンネリ~退屈は動物にも大敵です~

動物にとってのマンネリ

人にとってのマンネリとは刺激の少ない単調な繰り返しで起こるものといったイメージですが、動物さんにとってのマンネリは主に、刺激の不足や行動要求が十分に満たされないこと、環境の変化が起こらないことで起こります。

具体的に言うと、毎日の同じ景色、同じ遊び、同じ散歩コース、飼い主さんとのコミュニケーション不足などがあげられると思います。

これは私の経験ですが、新卒で動物病院に勤務し始めたころ、忙しい病院に入ったことや獣医師になりたてで勉強におわれていたりということもあって、忙しい日々を送っていました。

そのころは、猫1匹と暮らしていたのですが、結果、その子は毎日朝から夜までずっと一人っきりで過ごしていました。

そんなある日ふと、その子の様子がおかしいことに気づきました。

犬・猫は人間より約4倍早く年をとっているので、私にとっての1ヶ月はその子にとっての4ヶ月、いくら十分なごはんがあって、環境もきれいに整えていても、やっぱりダメなものはダメなんだと反省しました。

私の例は極端かもしれませんが、気がつくと1ヶ月、2ヶ月、あんまり構ってあげられてなかったということは起こりうることかなと思います。


刺激がないとどうなるの?

では、刺激がない退屈な状態が続くと動物さんはどうなるのかと言うと、うちの例でいうと無気力になって甘えてこなくなりました。

この無気力はよくある症状です。

その他にも、無駄吠えが増えたり、家具の角を齧ってしまったり、常同行動といって同じような動作を繰り返したり、分離不安が強くなる子もいます。

ねこちゃんの場合は、過剰にグルーミングをしたり、夜中に走り回ったり、逆に攻撃性が出てしまう場合もあります。

さらに、総じて運動不足やそれにより睡眠周期の乱れや肥満なども問題になることが多いです。

日常を暮らしていると、それがマンネリによる症状と気づかないかもしれませんが、病院でお話をお聞きしているとひょっとして…と思うことが実はよくあります。

何か心当たりの症状がある場合は、マンネリの可能性も疑ってみてくださいね。

対策は?

とはいえ、お仕事や家事、育児に追われているとなかなか変化と言われても難しい方も多いと思います。

そういった場合は

①お散歩コースをかえる

②お散歩中はスマホは封印、声がけやコミュニケーションを心がける

③カーテンを開けて外の風景が見れるようにする

④風鈴やモビールなど音が出るものや動くものを季節ごとに取り入れる

⑤いつものごはんではない、特別なおやつの時間をつくる

⑥10分でもコミュニケーションをとる時間をつくる

などはどうでしょうか?

比較的手軽かなと思います。

年齢のせいかな?と思っていたら、意外と無気力になっていただけということもよくあるので、元々はもっと活発な性格だったのに最近そうでもないな?と思ったら、ぜひ一度日常に刺激をつくってみてください。

最後に

ちなみにうちの子の場合は、仕事の状況的になかなか生活をかえることができなかったので、当時は別で暮らしていた主人のうちの猫にお泊まりに来てもらったり、お泊まりに連れて行ったりと、一人じゃない環境をつくるようにしたらすっかり元通りになりました。

動物も人も同じ生き物なので、やっぱり衣食住だけではなく、彩りが大切ということですね。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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