
もくじ
1. ごあいさつ
2.獣医さんが解説する子犬・子猫のよくある先天的な特徴~後々何か問題になる?~
・潜在精巣
・寄り目
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
シルバーウィークもあっという間に終わってしまいました!
また今日からお仕事の方も多いと思いますが、またすぐ週末と思うと頑張れる!という気持ちでいきたいものですね。
さて、本日は子犬さんや子猫さんを診ていて、よく見かける身体的な特徴の話をしたいと思います。
手術前提で考えた方がいいものから、特に問題にならないものまで色々あるので、お迎えを考えている方はぜひチェックしてくださいね。
獣医さんが解説する子犬・子猫のよくある先天的な特徴~後々何か問題になる?~

膝蓋骨内方脱臼
通称「パテラ」と呼ばれている先天的な骨格異常による疾患です。
骨格異常というと、とんでもない異常に聞こえるかもしれませんが、実際には小型犬はかなりの割合でこの膝蓋骨内方脱臼を持っています。
グレードが4段階あるのですが、グレード4のわんちゃんだと骨の変形も伴うので基本的に早期の手術が必要です。
グレード3までのわんちゃんは、症状があるようであれば手術適応ということが多いです。
ちなみに、グレード2ぐらいの子だと、普段は膝蓋骨が正常な位置にあるので、はじめは外れた違和感でケンケンして、すぐに膝蓋骨がはまってと普通に歩き出すという症状が出ることがあるのですが、年齢とともにわんちゃんも慣れてきてだんだん症状がわからなくなるというパターンも多いです。
臍ヘルニア/鼠蹊ヘルニア
ぽこっと出べそになっていることを医療的には「臍ヘルニア」と言います。
お臍が本来しっかり閉じるところが、何ミリという単位の小さな穴が残ってしまい、そこから脂肪が少し出ているという子が多いです。
何ミリという程度であればそのままにしておいても害になることは少ないのですが、時々お年をとって何かのきっかけで穴が広がる子もいて、腸管が皮下に出てしまうという場合もあるので避妊手術や去勢手術のときに一緒に閉じてしまうことが多いです。
鼠蹊ヘルニアはお股のところにある鼠蹊輪というお腹の中と外を連絡する穴が広く、そこからお腹の中の脂肪などが出てしまう先天疾患です。
臍ヘルニアと同じように、お股の一部がポコっと出っ張ってしまいます。
これも、臍ヘルニアと同じ理由で避妊手術や去勢手術のときに一緒に閉じてしまうことが多いです。
受け口/出っ歯
子犬さんは意外と受け口や出っ歯の子がいたりします。
医療的には下顎前突や上顎前突と言います。
基本的にはチャームポイントと思ってもらってよいものなのですが、ごく稀に永久歯が生えてきたときに、噛み合わせに問題が出て犬歯が歯肉に刺さってしまうという異常が出る場合があります。
こういったケースは抜歯処置などの対象になってきます。
潜在精巣
潜在精巣もかなりよく見る先天性疾患です。
元々、胎児のときはお腹の中にある精巣が鼠蹊輪を通ってお腹の外の所定の位置に下がってくるのですが、その過程で途中まで降りてきて止まってしまったり、降りてこずお腹の中に残ってしまったりということがあります。
これを潜在精巣(陰睾)と呼びます。
精巣は体温の影響を受けないように外に降りてくる臓器なので、正常な位置に降りていないと腫瘍化のリスクが10~14倍になると言われています。
そのため、潜在精巣は基本的に早期の外科手術の対象になります。
寄り目
寄り目の子もたまに見かけます。
特に多いのが、シャム猫系の子の寄り目(内斜視)です。
この寄り目に関しては、元々持っている場合は基本的には特に異常ではないと考えられています。
ただし、シャム系のねこちゃんの場合も途中から寄り目になったという場合は脳の異常の可能性はあるので注意が必要です。
また、寄り目(内斜視)とは少し違うのですが、チワワさんなどで目が下を向いている(腹斜視)という子は同じ先天的なものであっても水頭症という先天疾患の可能性があります。
最後に
最近、子犬さん子猫さんを診る機会が多いので、この機会によく先天的な特徴をまとめてみました。
お迎えするときは一期一会なことも多いと思いますが、備考欄に書かれた先天的な特徴がある場合は、それも含めてお迎えしてあげてもらえたらと思います。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ